しかも光る?

桜エビの体長さはわずかに4~5cmですが、体の表面に約160個のの発光体をもち、青く光りながら泳ぐことが知られています。研究者は海面近くに上昇したとき、下の敵から影が見えないようにしているのではないかと推測しています。今後、発光の仕組みが解明されると期待されます。 桜エビは日本近海だけでなく、台湾でも生息が確認されています。台湾の東方沖や西南沖です。花殻仔と呼び、漁業の対象になって、日本にも輸出されています。不思議なことに、駿河湾産に比べると甘みや旨みが落ちるそうです。 駿河湾の桜エビは約160の発光器官をもっていますが、台湾産は100前後しかありません。糖度計で測ってみても、駿河湾産のほうが甘いことが証明されているようです。

いつか桜エビが食べられなくなる?

桜エビは、かなり前から資源量の限界が近づいていると推定され、1980年代から年間の漁獲量を取り決め、夏の水温測定や産卵の調査を行って資源保護に努めてきました。その甲斐あって、2000年ごろまでは例年並みの魚獲高を維持できましたが、近年は漁獲高が落ち込む傾向にあります。 漁具や漁法が近代化しても漁獲能力が向上するだけで、資源回復には結びつきません。漁協では漁業者の水揚げ金額を均等にするプール制を導入するなど管理型漁業を推進しています。関係者の努力に期待しましょう。

河川の源流・山林の保護は大切

駿河湾は水深が深く、沿岸から急峻な地形で、日本列島の代表する山脈を源とする河川が注ぎ込んでいます。本来、深海中層に生息する桜エビが河口に繁殖するプランクトンを求めて上ってきているのではないかというのが専門家の見解とか。 だとすると、山が桜エビを育んでいるといえなくもありません。河川の源流の自然保護・山林保護は遠回りかもしれませんが、回りまわって桜エビの資源保護につながるのではないでしょうか。
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