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普段食べているししゃもは本物じゃない!
スーパーの鮮魚コーナーでよく見かける「子持ちししゃも」。価格が手頃でおいしいことから、お酒やビールのおつまみとして人気がある生干しですね。
手に取る機会があれば、パッケージの原材料表示を見てください。「カラフトシシャモ」と書いているはず。“シシャモ” となっていますが、実は本物のししゃもではありません。それでは本当のししゃもとはどんな魚なのでしょうか。この記事ではそんな本ししゃもについて解説します。
手に取る機会があれば、パッケージの原材料表示を見てください。「カラフトシシャモ」と書いているはず。“シシャモ” となっていますが、実は本物のししゃもではありません。それでは本当のししゃもとはどんな魚なのでしょうか。この記事ではそんな本ししゃもについて解説します。
本物のししゃもとはどんな魚のこと?
ししゃもはキュウリウオ目キュウリウオ科に属し、日本だけに存在するシシャモ属の固有種です。鮭と同じく川で産卵・ふ化する回遊魚で、海へ出て成長してからまた川へ戻ってきます。日本といっても、北海道南部の太平洋側だけに生息するたいへん珍しい魚。
毎年10~11月に産卵で川を遡上するため、その時期の1ヶ月間程度、河口付近の沿岸で漁獲されます。年々魚の数が減っていることから、資源保護の対象となっていて、川での漁業は稚魚放流のための採卵用捕獲のみです。
毎年10~11月に産卵で川を遡上するため、その時期の1ヶ月間程度、河口付近の沿岸で漁獲されます。年々魚の数が減っていることから、資源保護の対象となっていて、川での漁業は稚魚放流のための採卵用捕獲のみです。
ししゃもの年間漁獲量と近年の推移
北海道におけるししゃもの漁獲高は、北海道庁の最新水産統計によると、2019年が515トンとなっています。2018年が976トンだったので、ほぼ半減という状態ですね。(※1)速報値で確定ではありませんが、2020年は295トンという数字も出ています。
年間漁獲量は、3,000トンを超える年もあった1960年代をピークに、1970年代以降は激減の一途。400トンを下回るまでに落ち込んだあと、一時は1,000トンを超えるまで回復したものの、近年は再び減少傾向です。
年間漁獲量は、3,000トンを超える年もあった1960年代をピークに、1970年代以降は激減の一途。400トンを下回るまでに落ち込んだあと、一時は1,000トンを超えるまで回復したものの、近年は再び減少傾向です。
「ししゃも」という名前の由来
「柳葉魚」の漢字を当てて、「ししゃも」と読みます。アイヌ語で、柳を表す漢字の楊を「スス、シュシュ」、葉を「ハム」と発音することから由来するという説が一般的です。美しいという意味の「シサク」や、日本人の意味の「シサム」を由来とする説もあり、本当のところは定かではありません。
お店で見かけるカラフトシシャモとは?
カラフトシシャモは、本ししゃもと同じキュウリウオ目キュウリウオ科に属します。アイスランドやノルウェー、グリーンランド沿岸など、北の冷たい海に生息する回遊魚です。ししゃもとよく似た姿と大きさからついた和名、カラフトシシャモ属の魚で、川に遡上することはありません。
英名をカペリンといい、1970年代に不漁となったししゃもの代用魚として、北欧やカナダから輸入されるようになりました。生干しの冷凍物が年に数万トンも入荷し、安価で味もよく一年中出回ることから、いまではすっかり定番の魚としておなじみです。
英名をカペリンといい、1970年代に不漁となったししゃもの代用魚として、北欧やカナダから輸入されるようになりました。生干しの冷凍物が年に数万トンも入荷し、安価で味もよく一年中出回ることから、いまではすっかり定番の魚としておなじみです。
本ししゃもとカラフトシシャモの違い
本ししゃもとカラフトシシャモは、さまざまな点で見分けることができます。一番の違いがウロコと口です。本ししゃものウロコは、干物の状態でも大きくはっきりしていて、口が目の真下まであり、広く開いているのが特徴。
そのほかにも脂ビレがついていて、やや黄色がかった体色などで見分けが可能です。そうはいっても、一般の人がパッと見ただけで判別するのは、やはりむずかしいかもしれませんね。
そのほかにも脂ビレがついていて、やや黄色がかった体色などで見分けが可能です。そうはいっても、一般の人がパッと見ただけで判別するのは、やはりむずかしいかもしれませんね。
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