1200年以上前から存在!?「おでん」の語源がユニークすぎる

多くの人に愛されている「おでん」。ときどき無性に食べたくなりますよね。そんなおでんには、知られざる長い歴史があったんです。今回は、おでんの語源を紹介するとともに、おでんの命といわれる出汁のおいしいレシピもお教えします。

2016年12月7日 更新

ライター : ニコライ

グルメライター。スイーツやお店の紹介、コラムまで食に関することは幅広く書いていこうと思います。日本酒が好きで飲み歩きも多いこの頃。旅行先のカフェに行くのも好きです。どうぞ宜…もっとみる

幅広い年代に愛されている「おでん」

「おでん」と聞いたとき、みなさんは何を思い浮かべますか?大根にちくわ、卵、はんぺんや牛筋などいろいろと思い出すのではないでしょうか。おでんの食べ方は、地域によってさまざま。鯨の肉を入れたり、海産物を豊富に入れたり、中には味噌を付けて食べるところもあるんですよ。 今回は、そんなおでんの歴史と語源をご紹介します。おでんのルーツとなった食べ物は意外なものでした......。

おでんの語源

おでんは,、初めからおでんとして生まれたわけではないんです。実は、別の食べ物をルーツとして、その食べ物が変化していった先でおでんが誕生しました。 そもそものはじまりは、拍子木形に切った豆腐に竹串を打って焼いて食べことから。その形が田植え時の豊穣祈願の楽舞「田楽舞」に似ていたため、「豆腐田楽」と呼ばれるようになったそうです。これが、おでんの起源といわれています。

田楽に女性語の「お」をつけて

おでんは、豆腐田楽の「田楽」に「お」を付けた「おでんがく」からおでんと名づけられました。なんと、その歴史は1200年以上も前となるのです。

おでんの変遷。「塩」から「味噌」へ

豆腐田楽からおでんへ変わっていく中で、はじめに変化が起きたのが室町時代でした。調理・調味技術が飛躍的な進歩を遂げたこの時代に、鎌倉時代に道元禅師が中国より持ち帰った精進料理とそれまでの魚介を包丁で切って美しく盛る料理の技術が融合。日本料理の骨格を形成したといいます。 その後、すり鉢の登場によって、そのまま味わっていた味噌が、すり潰されて調味料となり、味噌汁や味噌煮ができるようになりました。当時、豆腐に塩を塗っていたものが、この味噌の食べ方の変化によって、豆腐にも味噌が塗られるようになったんだとか。これが、味噌を塗って焼いた「お田」、「豆腐田楽」の登場となったのです。 田楽は元来、笛や太鼓のリズムに合わせ舞った田植え時の豊穣祈願の楽舞を指します。1本竿の竹馬に、演者の男が乗って踊ることを「田楽舞」といいます。拍子木形に切った豆腐に竹串を打って焼く、その形が田楽舞に似ているところから、豆腐田楽の名がついたとされています。

江戸時代、田楽の種類が豊富に

江戸時代、上方で、こんにゃくを昆布だしの中で温め、甘味噌をつけて食べるようになりました。上方の煮込み田楽の誕生です。これが汁気たっぷりの今のおでんの原型といわれています(当時は汁に味を付けませんでした)。 1700年代前半頃までは、街道沿いには「飯屋」が多く、1700年代中頃になると、もちや田楽、煮しめなどを売る店が増えました。そして、1700年代後半になる頃には、急速に屋台が増えはじめ、飯屋・居酒屋・茶漬け屋などの店が大いにぎわったそうです。 この頃、田楽の種類も豆腐・ナス・里いも・こんにゃく・魚と増えていき、多くの種類が誕生しました。中には猪や鹿の肉などの田楽が誕生したり、魚を焼いて味噌をつけた「魚田」などが生まれたりもしたんだとか。 串に刺された田楽は、その手軽さから江戸時代の庶民のスナック(今で言うファーストフード感覚)として人気を集めました。中でもこんにゃくの人気は高く、江戸時代の女性が好きなものを示した言葉、「芝居、こんにゃく、いも、タコ、かぼちゃ」の中に挙げられていたほどです。

焼き田楽から、煮込みおでんへ

おでんの振り売りは、おでん鍋と燗鍋を乗せた木箱に天秤棒を渡し、「おでんかんざけ」の行灯やのれんをかけ、呼び声をかけて、街を売り歩きました。大坂は、昆布だしで温めて甘味噌をつける伝統を守り、江戸は、かつおだしにしょうゆや砂糖、みりんを入れた甘辛い汁で煮込みます。 江戸時代に、近郊の銚子や野田で醤油の醸造が盛んになり、安い醤油が庶民にも行き渡りました。おでんの振り売りは、やがて屋台となり、庶民の胃袋を満たしたそうです。「早い」「うまい」が求められた江戸時代においては、温めて、味噌を塗ってと手間のかかる大坂式の味噌おでんより、醤油ベースの汁で煮込む江戸式のおでんが注目を浴びました。
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お豆腐の田楽
関西風「おでん」
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