鯛の中に鯛がいる!? 幸せを運ぶ開運グッズ「鯛の鯛」とは

知る人ぞ知る、江戸時代から親しまれる開運グッズ「鯛の鯛」。あまり聞きなれない方も多いこの不思議なネーミングですが、いったいこれは何なのでしょうか。また、持っているとどのような効果があるのでしょうか。分かりやすくまとめてみました。

2018年10月1日 更新

「鯛の鯛」は縁起物!

食の欧米化が進み、最近では若い人々の和食離れを問題視する声もあるものの、お食い初めや結婚式など、おめでたい行事の際には今も欠かせない高級食材として古くから親しまれている鯛。

塩焼きをはじめ、お寿司や鯛飯など、クセがなく上品な味わいが世代を問わず人気ですよね。ですが、「鯛の鯛」が何なのかを知っている人は、少ないのではないでしょうか。自然が生んだ開運グッズとして、古くは江戸時代から親しまれている「鯛の鯛」。いったいどのようなものなのでしょうか。

これが「鯛の鯛」!

一瞬何かの言い間違いかな?と耳を疑ってしまいそうな「鯛の鯛」。はじまりは江戸時代とされており、当時の人々の遊び心から生まれた言葉だとされています。そんな歴史ある「鯛の鯛」ですが、いったいその正体は何なのでしょうか。

「鯛の鯛」は鯛の骨の一部だった

「鯛の鯛」は、鯛の体の中のある骨のことなんです。そもそも、鯛は9種類の骨から形成されており、そのなかでも「鯛の鯛」とは、胸びれを動かすための骨のことをいいます。人間でいうと、肩甲骨と烏口骨という、肩の2種類の骨が合体したものなのだそう。

名前の由来はもちろん、その姿形が鯛に似ているため。今に比べてはるかに高価で手に入りにくいものだった、当時の鯛。ただでさえめでたいことの象徴である鯛の中に、さらに小さな鯛がもう一匹いるということで、二重にめでたいとされてきました。

「ホッケの鯛の鯛」もいる!

その存在は江戸時代から希少価値が高いとされており、当時の書物では「鯛中鯛(たいちゅうたい)」と紹介されていたのだとか。ほかにも、正面から見ると龍に見えるおでこの骨「大龍(だいりゅう)」や、熊手のように見える頭の骨「三つ道具」など、それぞれの骨に名前がついています。

鯛以外の魚でもこの骨の形は鯛に似ているため、ほかの魚の場合は「ホッケの鯛の鯛」「カンパチの鯛の鯛」と言った言い方をします。鯛に限らず、さまざまな魚に存在している「鯛の鯛」ですが、昔から真鯛のものが最も美しく、重宝されていたようです。

普段魚を食べる際、あまり骨の形などを意識しては食べないですよね。「鯛の鯛」を一番初めに発見した人はさぞかし感動したのではないでしょうか。その小さな発見を、現代の私たちまで知ることができるなんて、なんだかうれしいですね。

実はコレクターもいる!貴重な鯛の鯛

多くの魚に存在している「鯛の鯛」ですが、魚の種類によって全く違う表情をしているのも特徴です。むかしから、魔除けのお守りや福を呼ぶ縁起物として人々に重宝されてきましたが、なかでもこの骨を肌身離さず持ち歩くと、お金がたまると言われており、最近では金運のお守りとして親しまれています。

近年、あらかじめ骨が処理された魚が増えていることや、胸ひれをほとんど使わない魚ではこの鯛の鯛は見られないことから、「鯛の鯛」の価値はさらに高まっていて、コレクターもいるほど人気なんですよ。

キレイに処理したのち、額縁に入れて販売されているものもあり、高いものでは1万円を超えるものもあるのだそう。金運上昇を願ってのこともあるかもしれませんが、さまざまな形の骨を集めることに楽しみを覚えるコレクターが意外と多くいるのかもしれませんね。

いつもは捨ててしまっていた魚の骨も、次に食べるときには「鯛の鯛」を探しながらじっくり味わってみようという気分になりませんか。

「鯛の鯛」の取り出し方と調理法

希少価値の高い「鯛の鯛」ですが、実際にはどのように入手ルートがあるのでしょうか。

まるでアートのように加工された額縁を購入するという手段もありますが、ほとんどの場合は、食べた際に自分で取りだしているようです。ここでは、鯛の鯛の取り出し方のコツと取り出しやすい調理方法をご紹介します。

取り出し方のコツ

胸びれの付け根部分を慎重にゆっくりとほぐしていくことがポイントです。

取り出しやすい調理法

最も取り出しやすい調理法は、煮魚なんだとか。しかし、煮過ぎると骨が崩れて取り出しにくくなってしまう可能性がありますので注意してくださいね。

取り出しづらい調理法

簡単に調理できておいしく食べられることから人気の焼き魚ですが、焼き魚の場合は骨が焦げたり、身がうまくほぐれずに取り出しにくい場合もあるようです。「鯛の鯛」自体も非常にもろく繊細なため、調理過程はもちろん、流水で洗う際など下処理の段階でも注意してくださいね。
取り出すにあたり、気をつけるべきポイントが多い鯛の鯛ですが、たまには調理法を変えて、鯛の鯛を見つける楽しみを持ちながら味わうのも良いかもしれませんね。

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