連載

「トマト」が妊活のカギ。体内の血を増やし、卵子を育む薬膳食材

子宝薬膳家がお勧めする、自分で、自宅でできる妊活薬膳。今回は、妊娠に最も必要な「血を増やす」食材、トマトを取り上げます。血虚(けっきょ)体質を改善して妊娠力を高め、夏の不調まで改善してくれるすぐれた食材を、ぜひ食生活に加えてください。

2016年7月18日 更新

ライター : 多々良 綾花

子宝薬膳家

薬膳で冷え、生理痛、ニキビ肌を解消できたことをきっかけに、中国の医大である遼寧中医薬大学付属日本中医薬学院に入学し薬膳を学ぶ。現在は妊活に特化した子宝薬膳を広め、家族の健康…もっとみる

血(けつ)を補って妊活を促す

妊活に大切なことはたくさんありますが、そのなかでも最も重要なことはなんだと思いますか? 私の専門分野である薬膳の世界では、妊娠に最も必要なものを血(けつ)と考えます。薬膳でいう血と、西洋医学の血液では少し考え方が異なり、血とは血液と栄養成分を合わせたイメージです。 私たちは食べ物や飲み物を消化し、吸収し、血を作り出しています。そして血は血管を通って全身へと栄養成分を運びます。この栄養成分が肌まで届かなくなると、乾燥肌になります。筋肉まで届かなくなれば体がスムーズに動かず、顔や足などにピクピクとした軽い痙攣が起こります。頭皮に届かなくなれば白髪が増えるなど、全身にプチ不調が出てきます。部分的な栄養不足のような状態になるんです。 一見すると、これらの症状と妊活は無関係に思えますが、薬膳では全てが繋がっていると考えます。実際、子宝薬膳を実践されている方からは、「妊活のために血を補っていたら、白髪が減ってきた」など、美容面の嬉しい変化も届けられています。

血は産後にも影響する

妊娠において、血は、下記の過程で重要な役割を担います。 ・卵子を育てる ・排卵する ・子宮内膜を厚くして受精卵を着床しやすくする ・赤ちゃんに栄養を送る ・母乳を作る 血は妊娠だけでなく、その後の妊娠継続、出産、授乳に至るまで影響します。例えば薬膳では、血が不足すると産後に髪が抜けやすくなったり、うつになったりしやすいと考えます。産後の養生には出産時、出産には妊娠中、妊娠中には妊娠前、というように、常に先手を打って、身体が今後必要とするものを前もって補給しておくことが大切なんです。ですから、将来的に出産を考えている人は、妊娠前、つまり今から血をたっぷり備えてあげましょう。 ちなみに薬膳の本場である中国では、血を作る食材として有名なナツメというドライフルーツを、結婚した人や妊娠した人に贈る習慣があるんですよ。

血虚(けっきょ)体質を食事で変える

本来であれば全ての女性に血を補っていただきたいのですが、特に血虚(けっきょ)という血が不足ぎみの体質の人に、血を作る食材をおすすめします。血虚体質の方には、下記のような症状が現れやすいと考えられています。 ■生理周期が30日以上になることが多い ■経血がたくさん出る日が3日以下 ■重だるい生理痛がある ■爪が割れやすい ■めまいや立ちくらみがある 誤解されやすいのですが、貧血と血虚は似て非なるものです。健康診断の貧血チェックで引っかかったことがない人でも、血虚体質の人はいますから、日頃から血を増やす習慣を身につけてもらいたいと思います。 また、「経血量が減ったのは年齢のせい」と思っている方もいらっしゃいますが、血を増やす食材を意識して摂るようにすると、少しずつ経血量も復活します。逆に、血を消耗してしまう原因は、テレビやパソコン、スマートフォンなどで目を酷使すること、夜更かしをすること(夜の10〜12時までに寝るのが理想的です)、そして、色々と考え事をしてしまうこと。できればスマートフォンの使用を控えたり、ブルーライトをカットするパソコン用メガネを使うなど、目を労ってあげてくださいね。

血を増やすトマト。リコピンも妊活に効果大

血を増やす食材としてぜひお勧めしたいのは、トマトです。 トマトは西洋医学的に見ると、リコピンという抗酸化作用にすぐれた成分が豊富です。妊活中の女性にとっては、子宮の老化を抑えてくれる効果が見込めます。また、トマトは男性不妊をよくすることも実験で確認されており、「精子の運動率」を高めたり、「精液中の白血球数」を改善する作用が期待されています。 薬膳の立場からでも、トマトはぜひ積極的に摂ってもらいたい食材です。「夏野菜は身体を冷やす」とトマトを避ける人も多いのですが、加熱すれば身体を冷やす働きは弱まり、血を増やしたり巡らせたりするよい作用が残ります。 旬の野菜は、その季節に出やすいトラブルを解消する働きもあります。トマトと夏野菜をグリルにしたり、体力を補ってくれる鶏肉とトマトを煮込んで食べれば、夏バテ防止にもなりますよ。また、同じ薬効のものを重ね使いすると効果が相乗する、という考え方も薬膳にはあります。たとえばトマトと同じく血を補い、巡らせてくれるサバと一緒に煮てパスタソースを作れば、血を作る効果がさらに増します。 特に生理時期は、血が身体の外へ出て行ってしまい、血が不足しています。生理前から生理中は特に血を補ってあげましょう。なお、生理前から生理後、お腹や背中に感じる重だるい痛みは、血の不足によるもの。生理前から意識して加熱したトマトを召し上がってみてください。

トマトは夏の不調にも効果的

血を増やし、血を巡らせて、妊活を後押ししてくれるトマト。血虚体質の人はもとより、全ての女性におすすめしたい食材のひとつです。ちなみにトマトは、下記のような夏の不調にも対応してくれます。ぜひ今年の夏はトマトを積極的に摂りましょう。 ・口内炎ができる ・口の端が切れる ・寝付きにくい、睡眠が浅い、寝ている途中で目が醒めるなどの睡眠トラブル ・心がザワザワする ・小さなことに過剰反応してしまう ・物音に驚きやすい 身体に余分な熱がこもると、上記のような症状が出やすくなります。トマトはこの熱を冷ましてくれるので、症状の緩和に役立つんです。また、筋肉量が多い分、男性は暑がりの傾向にあります。そんな男性には加熱せず、生のトマトを勧めてみてください。スライスしただけのトマトでも、立派な薬膳になりますよ。
すべての食材は、旬の季節に最も栄養価が高くなるだけでなく、出回る量も増える分、価格はお手頃になります。この季節、トマトを積極的に食事に取り入れて、血を増やすことを意識してみてくださいね。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

特集

FEATURE CONTENTS