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A5ランクだからおいしい、とは限らない?
よく耳にする牛肉の格付け「A5ランク」。いかにもおいしい最高級のお肉というイメージですよね。私もずっとそう思っていました。ところがこれが、必ずしも正しいとはいえないんですって。
そもそも、A5ランクとは?
A5ランクの「A」は、肉の歩留等級(ぶどまりとうきゅう)を意味しています。
「歩留」とは、肉牛がどのくらい太っていて枝肉がとれるかということ。AからCまで設定されており、Aというのは牛がかなり太っていて枝肉の量が多いことを示します。
そして「5」は、肉質の格をあらわす数字。脂肪や赤身の色、霜降りのさし具合を表します。
つまりA5ランクの牛肉とは、太っている肉牛からとれ、脂肪の混ざり具合がバランスよく、赤身の色が美しいものという意味。すべて見た目で決められているといっても過言ではありません。
脂肪をほどよく含んだ霜降りのきれいなお肉は確かに食感がよく、脂のうまみもあっておいしいのですが、それだけで肉のおいしさが決まるわけではありません。見た目だけではわからない「風味」こそが、肉のおいしさを決める一番大事なポイントなんです。
好きな風味は人それぞれ
風味のよさは、その牛がどのように飼育されてきたかを知る、あるいは自分で食べて実際に味わってみないとわかりません。だからこそ見極めるのはむずかしいとも言えますね。
しかし体質的に脂身の多い肉が苦手な人もいるでしょうし、味覚は人それぞれ。赤身の多いさっぱりとしたお肉が好みという方もいらっしゃいますよね?
ですから「A5ランク」だからといって、すべての人にとっておいしいお肉というわけではないんです。お肉の専門店ではよく格づけを売り文句にしているとは思いますが、ランクでは下位とされるA3やB3ランクのお肉のほうがおいしいという人も出てきます。
A5ランクの対極、赤身肉の魅力とは?
日本ではまだ、赤身肉といえば安くてあまり質がよくないお肉というイメージが強いかもしれません。しかし、放牧されて自由な環境でストレスなく育った牛の肉は赤身が多く、しっかりした味わいを持ちます。品質のいい赤身の肉は牛肉本来の味ともいえるでしょう。
ひと口食べれば弾力のある歯ごたえにハマり、赤身肉のファンになってしまう人も少なくないようです。
ヘルシーな赤身肉は、海外では高評価
海外では赤身肉は「レッドミート」と呼ばれ、脂肪分が少ないので体にもいいとされています。高たんぱくで低カロリー、脂肪燃焼も助けてくれ、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きもあるんですよ。
放牧で牧草を食べて育った牛は「グラスフェッドビーフ」と呼ばれ、牛が食べているものがヘルシーなのでお肉自体もヘルシーになるんです。
グラスフェッドに対して、私たちが通常食べている牛肉は、穀物を食べて育った牛がほとんど。「グレインフェッドビーフ」と呼ばれています。
海外のセレブの間では 「痩せたいなら赤い肉を」というのが今や常識!
日本でも近年「赤身肉」の人気が高まってきており、これから牛肉のランクづけにも変化が出てくるかもしれません。
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