ライター : macaroni トレンド

知られざる「江崎グリコ」の原点へ

Photo by 江崎グリコ

「ポッキー」や「ビスコ」でおなじみの、江崎グリコ株式会社。

「普段は公開していない、Glicoの研究所に来ませんか?」

そんな特別なお誘いをいただき、大阪にある本社の研究所を訪ねました。

お菓子メーカーとしてのイメージが強い江崎グリコですが、実はそのはじまりは“健康への強い思い”にあります。

今回は、ベールに包まれた研究開発の現場を見学し、100年以上続くブランドのルーツと進化についてお話をうかがってきました。

きっかけは、牡蠣の煮汁

まず広報の方から伺ったのは、Glicoの歩んできた100年以上にわたる歴史について。

物語は1919年まで遡ります。

創業者の江崎利一氏は、牡蠣の煮汁に多く含まれる栄養素「グリコーゲン」に注目し、これをわが子に与えたところ元気になったことから「食品を通じて国民の体位向上に貢献したい」と考えました。

このグリコーゲンこそが、Glicoの社名の由来なのだそう。

普段何気なく口にしているお菓子には、こんなストーリーがあったとは。広報の方の説明を聞きながら、思わず「Glicoって、牡蠣が由来だったんだ…!」と声に出しそうになったのはここだけの話です。

研究所という進化の最前線に身を置きながら、その原点にある創業者の想いを、改めてしみじみと感じました。

研究所で見た、“おいしい” のつくり方

Photo by macaroni

現在の研究所では、基礎研究から商品開発まで幅広い取り組みがおこなわれています。

見学のなかで印象的だったのが、「官能評価室」。味や香り、食感を人の感覚で評価し、その違いをデータとして蓄積していく場所です。ほんのわずかな甘さの違い、後味の余韻、食感の変化。

私たちが「なんとなく好き」と感じるその差を、きちんと検証しているのだそう

Photo by macaroni

私も実際にこの官能評価を体験させてもらいましたが、驚いたのはその徹底ぶり。

外部の音や視覚情報が遮断された静かなブースに座り、一切の事前情報なしで、ただひたすらに自分の味覚と嗅覚だけを研ぎ澄ませます。

ひと口含んだ瞬間に広がるわずかな甘みの輪郭、鼻に抜ける香りの余韻、そして喉を通るときのわずかな質感の変化……。

普段、いかに自分が「なんとなく」食べていたかを痛感させられる、非常にストイックな空間でした。

Photo by macaroni

私たちが「この味、好きだな」と感じるその直感の裏側には、このように極限まで研ぎ澄まされた人の感覚と、積み重ねられた膨大なデータが存在している。

「おいしい」は感覚だけでなく、緻密な科学でもあるのだというGlicoらしい姿勢を、身をもって体感することができました。

科学の力で「おいしさ」を保証するために

さらに驚いたのは、人の感覚だけでなく、さまざまな分析装置を駆使して「おいしさ」を数値化している点です。Glicoでは、味・香り・食感という「おいしさ」の重要な要素を科学的に分析し、確かな品質を保証しています。

味の数値化

Photo by macaroni

ヒトの舌と同様に味を感じる「味覚センサー装置」を使用。例えば「カレーZEPPIN 中辛」では、塩分を控えながらも旨味やコクが強くなっていることを数値で証明し、健康とおいしさを両立させています。

香りの分析

ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用い、素材本来の香りや保存中の変化を客観的に評価。乳児用粉ミルク「アイクレオ」では、酸化臭の発生を抑制する研究にもこの技術が活かされています。
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