ライター : donguri

グルメライター

五ツ星お米マイスター西島さんに教わる「古米」のこと

天候による不作や流通の問題で、お米の価格高騰が続く昨今。そんななか2025年3月半ばからは政府備蓄米の放出が開始され、「古米」や「古古米」「古古古米」といった言葉をよく耳にするようになりました。

しかし古米とは一体どのようなものなのか、いまいちよくわからないという方のために、本記事では五ツ星お米マイスター 西島豊造さん監修のもと、古米の基本知識をお届けします。
五ツ星お米マイスター 西島豊造(にしじま・とよぞう)さん
株式会社スズノブ 代表取締役。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科卒業後、北海道で農業コンサルタントに勤務し、1988年9月に家業の株式会社スズノブを継ぐ。

五ツ星お米マイスターの資格持ち、新しいお米の時代を作っていきたいという考え方から、大学時代に得た「土」の知識、北海道で得た「農業土木」の知識、産地を回ることで得た知識等を活かしながら、産地と消費者をつなぐパイプ役として、多くの生産地の、産地の特徴を活かした地域ブランド米作りと地域活性化を手伝っている。

NHK『趣味どきっ! ニッポンのうまい米』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などメディア出演多数。大手家電メーカーの炊飯器・精米機・お米にあう食品の監修など多岐にわたって活動。

古米とは?新米はいつから古米になる?

「新米」はその年に収穫されたお米を指し、「古米」はその前年に収穫されたお米です。11月1日から翌年10月31日を1年の区切りとする「米穀年度」が用いられることが多く、この基準で古米の定義がされることもあります。

次古米・古古米など呼び名がたくさん。違いはある?

現在が2025年で、その前年2024年に収穫されたお米が古米、さらに前年2023年が古古米(次古米)です。
収穫年呼び名
2025年新米(しんまい)
2024年古米(こまい)
2023年古古米(ここまい)
2022年古古古米(こここまい)
※今年(2025年)を基準としています。

古米と新米の違い・見分け方

見た目の違いは?

お米は古くなるにしたがって、米粒が乾燥と酸化していくことで、米粒の表面から艶がなくなり、白く濁って見えたり、くすんで見えたりします。また乾燥が原因で米粒にひびが入っていたり、割れやすくなったりすることも。

保管状況が悪いと、お米粒から古米臭がすることもあります。

見分け方のポイント

  1. 米の表面の艶がなく、白く濁って見えたり、くすんで見えたりする
  2. 米粒にひびが入っている、割れやすい
  3. お米粒から古米臭がする

価格差

古くなるにしたがって価格は下がっていきますが、いくら下がるとかの基準はありません。

古米は酸っぱいにおいがする?まずい?

米粒の表面についている糠の脂質が酸化することで、古臭い臭いや、酸っぱさを伴った臭いを発生します。保管状態が悪かったり、長い間放置されていたりすると、酸化が進んで臭いが強くなります。
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