ライター : macaroni 編集部 倉持

トレンド担当ディレクター

美食だけではない。香港で心が震えるアート旅へ

Photo by macaroni

アジアを代表する国際都市、香港。ここには、歴史と現代が美しく交差する場所が数多く点在しています。

“美食の街” として知られる一方で、実はアートやデザインの分野でも注目を集める存在。アートシーンを牽引する美術館や文化複合施設から、ホテルのバーにいたるまで、訪れる人の感性を刺激してくれますよ。

本記事では、“感性を磨く香港旅” をテーマにおすすめのスポットをご紹介します。

1. “アートの街” を牽引する美術館「M+(エムプラス)」

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香港はいま、“アートの街”として新たな魅力を放っています。高層ビルと伝統的な市場が混在するこの都市に、現代アートの大きな波が押し寄せているそう。その流れを牽引しているのが、WestKに誕生した美術館「M+(エムプラス)」。

この美術館に並ぶのは、香港をはじめとするアジアの国々、そして世界各地から集められたコレクションです。

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ビジュアルアート、デザイン、建築、そして映像。それぞれの作品がもつ背景や文脈が静かに響き合い、訪れる人の感性にそっと問いかけてきます。

知識がなくてもすっと引き込まれる世界観

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館内には33のギャラリーやそのほかの展示スペースがあり、ひとつ一つを丁寧に見てまわれば、一日ではとても足りません。

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それでも、知識がなくても、アートの世界にすっと引き込まれる。それが「M+」の展示の魅力だと感じました。誰もが自分の視点で作品と向き合える、そんな余白のある空間が広がっています。

芸術作品としてよみがえる東京の寿司屋

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筆者が思わず足を止めたのは、一軒の“寿司屋”でした。これは、かつて東京・新橋に実在した「きよ友」を、デザイナー倉俁史朗氏の設計そのままに復元・展示した空間です。

ガラスやアクリル、石材を巧みに組み合わせた内装は、寿司屋の枠を超えた芸術作品のよう。2004年の閉店後、解体・保存されていたものを、「M+」が時間をかけて丁寧に蘇らせたのだそう。

2. 歴史とアートが融合する注目スポット「大館(タイクン)」

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香港観光といえば、中環の中心に佇む歴史的建造物「大館(Tai Kwun / タイクン)」は外せません。かつての警察署、裁判所、刑務所をリノベーションしたこの文化複合施設は、歴史と現代が融合した不思議な場所です。

訪れると、開放感のある中庭が迎えてくれ、当時の面影を残す重厚な建物群に心が引き込まれました。

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大館の敷地内には、歴史的な建物を活かしたカフェやセレクト雑貨店、現代アートギャラリーが点在しています。

ゆったりとした空間でひと息ついたり、買いものをしたり、個性豊かなアート作品と出会ったりと楽しみ方はさまざま。

3. 独特の世界観に引き込まれる「ローズウッドホテル香港」のバー

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アートや観光を満喫したあとは、尖沙咀(チムサアチョイ)のビクトリア・ドックサイドにそびえるラグジュアリーホテル「Rosewood Hong Kong(ローズウッド 香港)」内のバー「DarkSide」へ。

2021年に『タイムアウト香港』の 「バー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、4年連続で「Asia’s 50 Best Bars」に名を連ね、2024年には堂々の17位にランクイン。世界的にも高い評価を受ける注目のバーです。

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「DarkSide」は、九龍の神秘的な歴史と文化を映し出すバー。カクテルリストは、伝統的なレシピを現代の革新的な技術でアップデートした一杯が特徴です。

映画撮影用のカチンコを模した入れ物に収められたカクテルメニュー。1枚1枚には、九龍の歴史的な史跡から着想を得た、テーマ性の高いカクテルが丁寧に書かれていました。

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メニューをぱらりとめくると、目に留まったのは「The Walled City(ウォールド・シティ)」という名前のカクテル。かつて香港・九龍に実在した「九龍城砦」からインスパイアされた一杯のようです。

材料の欄に「Soy Source」、つまりしょうゆが使われていると知り、興味がぐっと高まり、思わず注文してみました。

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提供されたカクテルは、渋い色合いが印象的。ひと口含むと、ふわりと五香粉の香りが広がります。ベースはバーボンでアルコール度数は高め。

トッピングには乾燥させた叉焼のようなものが添えられていました。全体を通じて、どこか「九龍城砦」の混沌と活気、そして少しダークな側面を感じさせる味わいでした。
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