ライター : macaroni 編集部

監修者 : 上田 悠理

医師(形成外科医・在宅訪問診療医) ヘルステックプロモーター

アボカドでアレルギーは起きるのか

アボカドアレルギーとは、腸の免疫機能がアボカドを異物とみなし、攻撃することで起こる食物アレルギーです。また、ラテックスアレルギーの人がアボカドにもアレルギー反応を示す、ラテックス-フルーツ症候群が原因となるケースも多くあります。

ラテックス-フルーツ症候群は、ラテックスとアボカドのたんぱく質の形が似ているために起こります。アボカドアレルギーかと思ったら、実はラテックスアレルギーだったということは少なくありません。

アボカドアレルギーの症状

アボカドアレルギーの症状

  1. 皮膚の発疹、かゆみ
  2. 呼吸が苦しい
  3. 血圧の低下
  4. 腹痛嘔吐・
アボカドアレルギーでは、アボカドが口に触れてから15分以内に口やのどにいがいがした感じやかゆみをおぼえます。多くはしばらくして自然になくなります。そのほか蕁麻疹(じんましん)や鼻水、下痢などの症状がある場合も。

また、ラテックス-フルーツ症候群はアナフィラキシーショックのリスクが比較的高いため、注意が必要です。以下の4項目のうち2項目以上の症状があれば、アナフィラキシーと診断されます。一度でもこのような症状があった場合は、病院で検査を受けてくださいね。

アボカドとラテックスアレルギーの関係

ラテックスアレルギーの人の約半数程度がアボカドやバナナ、栗、キウイフルーツなどの植物性食品に対してアレルギー反応を示すと言われています。ラテックスとこれらの植物性食品のたんぱく質が似ているために起こる症状です。

ラテックスアレルギーになりやすい人として、医療従事者や清掃業の方、医療処置を繰り返している二分脊椎・髄膜瘤という病気の方、アトピー患者などが挙げられます。

アボカドアレルギーではなく「仮性アレルゲン」の可能性も

アボカドに含まれる化学物質が直接体に作用して、アレルギーに似た症状が出ることを「仮性アレルゲン」と言います。

仮性アレルゲンは食物アレルギーと異なり、アボカドそのものに対してアレルギー反応が起こっているわけではありません。そのため、次にアボカドを食べたときに症状が出るとは限らないという特徴があります。

アボカドを食べると腹痛や下痢を起こすおそれが

腹痛や下痢などはアレルギーの症状の一種なので、アボカドアレルギーがある人がアボカドを食べると、腹痛や下痢が起こるおそれがあります。

対策としては、アボカドが入る料理や、アボカドを扱うお店での食事を避けることが挙げられます。また、アボカドを調理した包丁でほかの食品を切らないようにして、混入のリスクを下げるのも大切です。

アボカドアレルギーは子どもにも注意が必要

ラテックス-フルーツ症候群としてのアボカドアレルギーは、天然ゴム製品に多く触れる学童期以降に多いアレルギーです。しかし、近年はラテックス-フルーツ症候群の患者さんが低年齢化しているため、アトピーをもつ子どもは注意が必要

対策として、ラテックス製のおもちゃをなるべく避けることが大切です。なお、これまでアボカドを食べたときに違和感がなかったのであれば、今すぐアボカドを避ける必要はありません。
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