ライター : 桑原恵美子

フードライター

覚えておきたい!新潟の個性派B級グルメ3選

Photo by macaroni

表参道・新潟館ネスパス
新潟県のB級グルメについて教えてくれたのは、表参道にある“食”を中心とした新潟県のアンテナショップ「表参道・新潟館ネスパス」のスタッフ 齋藤美帆さん。

「新潟は南北に長いので、県南、県北、中部、海沿い、山沿いでかなり食文化が異なります。紹介するB級グルメ3品『タレかつ丼』、『イタリアン』、『バスセンターのカレー』は、主に新潟市を中心に親しまれています」

1. サクサク軽くて女性にも人気「タレかつ丼」

Photo by macaroni

写真は「ネスパス」地下1階のお食事処「新潟食楽園」で提供している「佐渡産黒豚のタレカツ丼」(税込1,050円)
カツ丼といえば全国的には、とんかつを卵でとじてご飯にのせたものを指しますが、新潟では揚げたてのとんかつを甘辛い醤油だれにくぐらせ、ご飯にのせた「タレかつ丼」も一般的。とんかつはごく薄く、2枚以上のっているのが特徴です。

「タレかつ丼」が誕生したのは昭和初期頃。北前船(江戸〜明治時代に活動していた商船群)で栄え、洋食文化が早くから花開いていた港町で生まれました。

モダンな料理だったカツレツと、新潟伝統の発酵食文化から生まれた醤油を使ったたれ、県自慢のお米をミックスして提供したところ瞬く間に人気となり、今では新潟市民のソウルフードとして親しまれています。

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がっつりした見た目とは裏腹に、食感は軽め。薄いので衣とお肉に一体感があり、サクッとクリスピーです。

少し甘めのたれがしっかり染みこんでいて、パクパクと食べ進められます。女性ファンが多いのも納得の食べ心地です。

2. 60年愛される、新潟市&長岡市民のソウルフード「イタリアン」

Photo by (株)みかづき

「イタリアン」は、焼きそばに使用する蒸し中華麺を、野菜といっしょに炒めてソースで味付けし、トマトソースをかけた料理。新潟市から長岡市にかけてのエリアを中心に1960年代からお店で提供され、長年にわたって愛されているご当地グルメです。

考案したのは、新潟市内を中心に甘味喫茶チェーン「三日月」(現在の「みかづき」)を経営している三日月晴三さん。甘味喫茶で女性が食べられるオシャレな軽食をイメージして1960年から提供したところ、絶大な人気を得ました。

のちに社長同士が親友だったことから、長岡市を中心に展開していた甘味処「長岡饅頭本舗」(現在の「フレンド」)でも販売を開始。

「みかづき」は太めの麺にトマトソースをかけてフォークで食べる、「フレンド」は中細麺にミートソースをかけて割りばしで食べる、といった違いがあります。

Photo by macaroni

写真は「ネスパス」内の物産店「新潟食楽園」で販売しているチルド「新潟名物イタリアン焼そば」に野菜を加えて調理したものです。「みかづき」はフォークで食べるスタイルですが、撮影用に箸を使用しています
やわらかめの太麺が濃度のあるトマトソースとよくからみ、ナポリタンのように親しみやすい味わい。トマト由来の酸味とフレッシュさのなかに、焼きそばソースの甘味とコクが合わさった、和洋折衷のおいしさです。

こちらからお取り寄せ可能

Photo by macaroni

「みかづき」のイタリアンを元にした、「新潟名物イタリアン焼そば(麺、ソース、トマトソースとも各2食入り)」税別450円 ※要冷蔵

3. 入手困難になるほどの人気!?「バスセンターのカレー」

Photo by 新潟交通商事(株)

「万代そば」の人気メニュー「普通カレー」(480円)。「大盛りカレー」(560円)、「ミニカレー」(390円)もある
新潟県民ばかりでなく、今や全国的に多くのファンがいる、通称「バスセンターのカレー」。「バスセンター」とは、JR新潟駅から徒歩7分ほどのところにある「万代シテイ バスセンタービル」のことです。

その1階の立ち食いそば店「万代そば」で、1973(昭和48)年のビル完成当時から提供されているオリジナルカレーは、多い日で1日800食から1,000食もの注文が入る超人気商品。

Photo by 新潟交通商事(株)

仕事で県外から訪れ、一度食べてやみつきになった多くのファンからの要望で、2009年にはレトルトカレー「バスセンターのカレー」が発売されました。

ちなみに、古くからいる調理人の経験と勘で作られていたため工場での再現がむずかしく、お店と同じ味にできるまで3年もかかったとか……。

Photo by 新潟交通商事(株)

新潟県民以外には「知る人ぞ知る」味だったこのカレーが全国的な人気になったのは、2017年2月、テレビ朝日系列のバラエティ番組『アメトーーク!』の「カレー大好き芸人」コーナーがきっかけ。

「昔食べていたなつかしいカレーの味そのまま」と絶賛されたことで、全国的にその名が知られました。さらにその翌月、ロックバンド・GLAYのメンバーが新潟のコンサートで「おいしい」と発言し、ファンクラブ会報誌で紹介されて人気がじわじわ拡大。

2018年6月、日本テレビ系列のバラエティ番組『秘密のケンミンSHOW』で取り上げられると、オンラインからの注文数がひと晩で3万個を記録したそうです。

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「ネスパス」内の物産店「新潟食楽園」でも扱っており、関連商品の特設コーナーが設けられているほど。ですが、あまりの人気に入荷と同時に売り切れることが多く、いつもあるとは限らないのだとか。

Photo by macaroni

写真は「ネスパス」内の物産店「新潟食楽園」で販売しているレトルト「バスセンターのカレー」を、地下1階のお食事処「新潟食楽園」で温めて、ご飯と盛り付けたものです
レトルトの「バスセンターのカレー」を温めて、食べてみました。「万代そば」のカレーは量が多いことも特徴のひとつなので、レトルトも220gと、1.5人分のボリューム。

“ザ・日本のカレー”という感じの見た目とまろやかな味わいです。濃度が高く、カレーうどんのルーのようでもあります。でも、食べ進めていくと、あとからスパイシーさがだんだん立ってきて、最後まで主張。

「お店では、醤油やソースをかけて召しあがる通な常連さんもいるようです」(レトルトカレーを販売している「新潟交通商事」担当者)

こちらからお取り寄せ可能

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「バスセンターのカレー(1.5人前)」(税込540円)
新潟で食べるべきおすすめカレーはこちら▼
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