ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

昆布について

海藻の一種である昆布は、だしを取るのに使ったり、煮物の具材にしたりするのが一般的です。塩昆布やとろろ昆布といった昆布の加工品は、和え物やスープに使えます。

昆布にはさまざまな種類がありますが、真昆布や利尻昆布のように厚み・硬さがあるものは、だしを取るのに向いています。

一方、長昆布や日高昆布などは比較的やわらかく、昆布巻きやおでんにぴったりです。なお、この記事では、生産量がもっとも多い長昆布の栄養価をご紹介します。

昆布の栄養と効果効能

カルシウム

長昆布100gあたりには、カルシウムが430mg含まれています。カルシウムの主な作用は、骨や歯の材料になることです。

カルシウムが不足すると骨がもろくなるおそれがあるため、積極的に摂りたい栄養素です。カルシウムは乳製品に豊富ですが、長昆布は牛乳の約4倍ものカルシウムを含んでいますよ。(※1,2)

長昆布100gあたりには、鉄が3.0mg含まれています。鉄は血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の材料として、全身に酸素を運んでいます。

鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。植物性食品である昆布に含まれる鉄は非ヘム鉄で、ヘム鉄より吸収率が低め。鉄の吸収を高めるビタミンCとともに摂るのがおすすめです。(※1,3,4)

ヨウ素

長昆布100gあたりには、ヨウ素が210mg含まれています。新陳代謝や子どもの成長促進などに関わる「甲状腺ホルモン」の材料となるミネラルです。

ヨウ素が不足すると、甲状腺ホルモンのはたらきが低下するおそれが。しかし、昆布を摂る習慣がある日本人は、ヨウ素が不足する心配はないと考えられています。(※1,5)

フコイダン

長昆布100gあたりには、食物繊維が36.8g含まれています。特徴的なのが、水溶性食物繊維の一種であるフコイダンです。

フコイダンには整腸作用のほか、コレステロールや糖質の排出を促すはたらきがあります。さらに、免疫細胞を活性化させたり、免疫機能を調整したりする作用が期待されていますよ。(※1,6)

アルギン酸

アルギン酸はフコイダンと同様に水溶性食物繊維の一種で、「アルギン酸カリウム」として昆布に含まれています。アルギン酸カリウムはコレステロールの排出を助ける作用があり、コレステロール値を下げるのに役立つ成分です。

また、昆布に含まれる水溶性食物繊維は、水分を保持して便をやわらかくする作用があります。便秘が気になる方に、昆布はおすすめの食品です。(※6,7,8)
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