ライター : 相原民人

バリスタ

ロースター選びのポイントは?

コーヒーをさらにおいしく飲むための知識やテクニックをご紹介する連載の第2回です。今回は、自分好みのロースターを選ぶコツをご紹介します。 前回はコーヒーの基礎知識の中で、コーヒー豆は果実の種であることをお教えしました。その種を焼いてコーヒー豆にする作業をロースト(焙煎)といいます。好みのロースト具合を発見できると、自分の好きなコーヒーを見つけるヒントになりますよ。ぜひロースター選びの参考にしてみてください。

浅煎りと深煎りって何がちがうの?

コーヒーの焙煎具合は、主に浅煎り、中煎り、深煎りの3つに分けられます。焙煎は玉ねぎを炒めるのに似ていて、焼けば焼くほど甘みを引き出せますが、焼き過ぎると焦げて苦くなってしまいます。カラメルのような甘さと、焦げた苦味は全くの別物。酸味が魅力のコーヒー、甘さが魅力のコーヒーなど、そのコーヒーの良さは何なのかを理解した上で、豆のもつポテンシャルを最大限引き出すことが焙煎において最も大切なんです。 自分の好みに合ったロースターを探す際には、焦げ具合で好みを決めるというよりも、コーヒーがもつ素材そのものの味として何が好きなのかを理解することが大切です。

フルーティーな酸味を生かした「浅煎り」

浅煎りは、コーヒーそのものが持つフルーティーな酸味を強く味わえる煎り具合です。 コーヒーの果実味が好きな方にオススメです。「スタンプタウン」や「ブルーボトルコーヒー」など、アメリカのインディペンデンス系(チェーン店ではない独立系)のロースターの成功によって、浅煎りのコーヒーは大きく拡大し、トレンドとも言えるようになりました。日本でも、主にスペシャルティコーヒーを扱っているお店などで味わうことができますよ。

酸味と甘さのバランスがとれた「中煎り」

中煎りは酸味と甘さのバランスがとれていて飲みやすいです。スペシャルティコーヒーは素材そのものの味を一番大切にするので、浅〜中煎りの場合がほとんどです。中南米など、甘さを引き出してあげたほうがおいしい産地の豆は、中煎りが向いています。 また、エスプレッソに使う豆は、やや深めに火を通した方が味がまとまるということもあり、中煎りの場合が多いです。

甘さとコクを引き出した「深煎り」

深煎りはカラメルのような甘さが感じられ、甘さに隠れて酸味はさほど感じられません。焙煎は長く続けることで豆の持つ糖分がキャラメリゼ反応を起こし、香ばしい甘さが感じられるようになります。チョコレートやカラメルなどの甘さが好きな方にオススメです。お菓子やケーキも一緒に食べられるお店や、少しゆったりできるようなタイプのコーヒー屋さんでは深煎りが多いように感じます。

産地によって味わいがちがう!

もうひとつ、好みの味わいを発見するのに大きく役立つのがコーヒーの産地です。コーヒーはワインと同じで、産地によって全く味わいが異なるんですよ。大きく分けて、4つに分類できます。
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