ライター : macaroni 編集部

11月はお茶界の「お正月」!?

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11月はお茶の世界で「お正月」とも言われる、記念すべき月。それは半年ぶりの炉開き(ろびらき)が行われるから。炉開きとは、茶道の際に使用する囲炉裏を開く行事で、お茶の世界ではとても重要なイベントなんです。

茶道といえば、おいしい和菓子も欠かせませんよね!この連載では、和菓子初心者の編集部といちゃんと、和菓子大好きカメラマンさねやんが、奥深い和菓子の魅力についてご紹介します。

この記事に登場するひと

macaroni 編集部 企画ディレクター / といちゃん
元パティシエのmacaroni2年目ディレクター。丁寧な暮らしに憧れているが、実際のところはほど遠く、自分を甘やかした自由気ままな生活を送っている。和菓子が似合うオトナ女子を目指して、勉強中。

macaroni 編集部 カメラマン / さねやん @chan.sane
毎日一服の抹茶が日課のmacaroniのカメラマン。母のお稽古のお供で、毎週土曜は茶室で過ごした幼少期。3歳で抹茶と和菓子のペアリングに衝撃を受け、以来すっかり和菓子舌に。コロナ収束後は、全国の老舗和菓屋をめぐる旅を画策中。一番好きな和菓子は桜餅。

季節の和菓子を作り出す。【日本橋】鶴屋吉信 TOKYO MISE「菓遊茶屋」

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第1回目は、京都の老舗和菓子店「鶴屋吉信」の東京店にある「菓遊茶屋(かゆうちゃや)」さんをご紹介します。日本橋のCOREDO室町3にある「菓遊茶屋」では、職人さんが目の前で作ってくれた上生菓子を、その場でいただくことができるんです。

菓遊茶屋の和菓子職人 “梅津さん” にお話を聞きながら上生菓子の魅力に迫りましょう。

そもそも「上生菓子」とは?

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上生菓子とは、和菓子の中でも特別な席やお祝い事の際に食べられる「外郎(ういろう)」や「こなし」を使ったお菓子のこと。季節のうつろいを表すような色合いや形が特徴的です。

上生菓子の「練り切り」と「こなし」

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菓遊茶屋の和菓子職人 “梅津さん”
といちゃん
「上生菓子=練り切りだと思っていたのですが、違いはあるんでしょうか?」

梅津さん
「関東の方は “練り切り” 、関西の方は “こなし” と呼ぶことが多いんです。その理由は材料の違い。白あんに求肥を入れた生地で作るものが “練り切り” で、関東ではこの生地がよく使用されています。関西では、白あんに小麦粉やもち粉を入れた生地を使用することが多く、これは “こなし” といいます。

菓遊茶屋で作っている上生菓子は、“こなし” を使用しています。」

さねやん
「上生菓子の中に “練り切り” と “こなし” という種類があるということですね!」

梅津さん
「はい。京都では、お抹茶に合うように口どけのよい “こなし” を使用することが多いです。」

職人さんが使用している道具

上生菓子を作成する際の道具
さねやん
「職人さんが実際に使用している道具を見れるなんて、和菓子好きとしてはかなり嬉しいです♪」

梅津さん

「上生菓子は季節のうつろいを感じられるよう、自然のものをモチーフにすることが多いんです。和菓子職人は自分で花や葉をスケッチして、どんなものを作るか、どのように作ればいいかを考えます。

自分がイメージしている作品が既存の道具で作れない場合は、道具を削って手作りすることもあるんですよ。」

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梅津さん
「同じ色の花でも使用する道具を使い分け、花びらの形や枚数を変えることで、違った印象になるんです。洋菓子は果物で季節を表現しますが、色合いや形で季節を表現するのが和菓子の特徴です。」
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