ライター : dressing

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早くも注目! 昼だけ間借り営業する「カルボナーラ専門店」

大人も子どもも大好きなパスタ。中でもカルボナーラは、ナポリタンやミートソースと並んで、人気の高いメニューだ。そのカルボナーラに魅せられたひとりのシェフが、カルボナーラ専門店『HASAGAWA(ハセガワ)』を神楽坂にオープン。早くも話題を呼んでいる。
飯田橋駅から神楽坂をゆっくり登っていくと、左手にある見番横丁。その入り口にある看板が『HASAGAWA』の目印だ。人気のニンニク料理専門店『はじめの一っぽ 2(いっぽ セカンド)』の店舗を、昼だけ間借りして営業している。
らせん状の階段を降りていくと、ガラス屋根から光が降り注ぐ、地階とは思えない明るい空間が現れる。 席はカウンターとテーブルが6卓。ちょうどいい具合に馴染んだ木の風合いが落ち着いた雰囲気だ。

イタリア料理店で磨いた技で作るカルボナーラが大評判

オーナーシェフの長谷川 浩平さん(写真上)は、大のイタリアン好きの母親の影響を受け、イタリア料理を志すようになったという。地元、静岡県の店でキャリアをスタートした後、都内のいくつかのイタリア料理店で働いていた頃、出張料理を頼まれるようになり、出張料理人として独立した。 カルボナーラ専門店は、出張料理の傍ら、吉祥寺のビストロを間借りして日曜ランチのみの営業でスタート。オリジナリティあふれるカルボナーラはたちまち評判を呼び、行列ができる人気店に。いったん吉祥寺店を閉め、ファンたちが肩を落としたのもつかの間、神楽坂で待望の再オープンを果たした。

5年間ひたすらカルボナーラを作り続けて見つけた黄金比率

なぜカルボナーラの専門店なのかと尋ねると、「とにかく子どもの頃からカルボナーラが大好きで。ずっと、カルボナーラ専門の店を出すことを考えていました」と長谷川さん。
料理の世界に入って知ったのは、カルボナーラには驚くほど様々なレシピがあること。本場ローマの生クリームを使わないレシピをはじめ、様々なカルボナーラのレシピを調べて試したり、評判の店を訪れ食べ歩いたりするなどし、なんと5年間もカルボナーラのレシピを探求し続けたという。
「チーズと卵の配合も店によって全然違うんです。食材選びはもちろん、チーズの量をグラム単位で変えるなどして、自分にとって理想のカルボナーラを目指しました」(長谷川さん) ベースとなるレシピだけでなく、カルボナーラに合う様々な食材の組み合わせも試作。作ったメニューは、自身も数え切れないぐらいだとか。 そして、『HASEGAWA』流“黄金比率”のカルボナーラができあがった。

何度食べても飽きない! 卵のコクと食べ心地の軽さに夢中

やみつきになるファン続出で、3、4日と通って同じカルボナーラを食べ続けた強者もいるという『HASEGAWA』流カルボナーラ。そのおいしさの秘密は何だろうか。
定番メニューの「厚切りベーコンのカルボナーラ」(写真上)。 ソースに使用している卵は、黄身の色がオレンジで味が濃いもので、量は1人前あたり全卵1個、卵黄1個を贅沢に使っている。合わせるチーズは、パルミジャーノ・レッジャーノよりまろやかな味わいのグラナ・パダーノ。 「本場ローマのレシピでは生クリームを使いません。そのレシピを忠実に作ってみたこともあったのですが、もう少し軽く、ソースがさらりとしたものを作ろうと考えました」(長谷川さん) 卵とチーズ以外にニンニクをプラスしてパンチを効かせ、隠し味に昆布やカツオのだしを入れている。このだしが、ほのかにうまみを感じさせ、味に奥行きを出している。
パスタは1.7mmの標準の太さ。ベーコンはボリューミーな厚切りなので、フライパンで表面をカリッと焼いても、ジューシーさを存分に楽しめる。
ベーコンのスモーキーな香りが食欲をそそるパスタは色味が濃厚。アルデンテよりも少しやわらかめのパスタに、とろみのあるソースがよく合い、しっかりソースが絡んでいる。
さっそくいただくと、まろやかな口当たりの中に濃厚な卵の味わいがガツン! にもかかわらず、後口が軽快なのに驚かされる。コクがあるのに重くない。この絶妙なバランスが、リピートしても飽きない理由だろう。

カルボナーラの新しいおいしさ発見! 創作カルボナーラを堪能

数ある創作カルボナーラの中でも、長谷川さんのイチ押しは「山椒のカルボナーラ」(写真上)。カルボナーラと山椒という個性的な組み合わせは、カルボナーラを様々に試してきた長谷川さんならではのアイデアだ。 ベースは「厚切りベーコンのカルボナーラ」と同じで、黒コショウを山椒に変えている。香りが飛ばないように毎朝挽いているという粉山椒が、爽やかな香りで鼻腔を刺激する。使用するのは、優しい香りの国産山椒。 「カルボナーラ自体に主張があるので、花山椒のような個性が強いものよりも、優しく香るもののほうが相性が良いんです」(長谷川さん) 山椒ならではのピリリとしびれる辛さがじんわり効いてきて、濃厚なカルボナーラに絶妙なアクセントが加わる。アジアンなスパイスが、イタリア生まれのメニューの違う顔を見せてくれる。

マイルドに仕上げたジェノベーゼソースが馴染むカルボナーラ

同店では常時4種類のメニューが用意されているが、そのうち1種類は期間限定メニューとなる。ある日のメニューは「ジェノベーゼカルボナーラ」(写真上)。 ジェノベーゼソースはカルボナーラに合わせるため、チーズを控えめにしてマイルドな味わいに。フレッシュトマトの爽やかな甘酸っぱさが、バジルの香りと相性抜群で、濃厚なカルボナーラをよりさっぱりした食べ心地にしてくれる。
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