ライター : macaroni_press

ロングセラー商品「加賀棒ほうじ茶」

みなさんはほうじ茶と言えば、どんな印象を受けますか?香ばしい味わいが好きで、「そのまま飲む」という方だけでなく、ほうじ茶フレーバーのスイーツやドリンクが好きという方も多いかもしれません。

そんなほうじ茶好きの方に気に入っていただけるのが「加賀棒ほうじ茶」。一般的なほうじ茶は茶葉を焙(ほう)じて作られますが、この商品は“棒”の部分を使っていることが特長です。

この“棒”の正体を探るべく、こちらの商品に使用されている茎茶を焙煎している油谷製茶の代表、油谷祐仙さんにお話を伺ってみました。

昔は捨てていた“棒”の部分が、実はおいしかった

Photo by 油谷製茶

ー加賀棒ほうじ茶の“棒”ってなんでしょうか?

「まず、お茶の枝は一芯二葉(いっしんによう)と言い、先端に芯があり、下へ向かって互い違いに葉がついています。一般的なほうじ茶は、その葉っぱから作っているのですが、棒ほうじ茶は茶の茎の部分を使ってます。茎を焙煎したものが棒ほうじ茶の原料なんです。」


Photo by 油谷製茶

ーその茎を焙じようと思ったきっかけはありますか?
「昔から石川県では加賀棒ほうじ茶を作っていたらしく、私が幼い頃から飲むのが当たり前だったんですよね。これが石川県の文化だったんです。

明治35年に、弊社の3代目がお茶を作って輸出してたのですが、当時は葉っぱだけを取り扱っていて棒の部分は余分なものだったんです。その棒を焙煎して、いらないものをお金にしたというのがスタートです。

でも実は、棒の方が香り成分も旨み成分も高くておいしいんですよ。それに気づいて作り始めました。

さらに、昭和58年に昭和天皇へ加賀棒ほうじ茶を献上したことがきっかけで、世の中に『加賀棒ほうじ茶が良いもの』だと認められるようになりました。」

Photo by 油谷製茶

旨みたっぷりの加賀棒ほうじ茶を作るために必要なこと

Photo by 油谷製茶

こうして生まれ、長い間愛されてきた加賀棒ほうじ茶。葉を焙じるのとは違ったむずかしさはあるのでしょうか。

ー油谷さんが焙煎の際にこだわっていることはありますか?

「棒ほうじ茶を焙煎するには、『温度と湿度』が一番大切なんです。ゆっくり焙じると焦げ感が出てしまうし、早くすると味が出ない……。天気や気温を見ながら、そのバランスを毎日チェックしています。今年は雨が多くて、湿度が90%と高かったので、すごく火が入りやすかったですね」

油谷さんは、日ごとに条件が変わってしまうむずかしさを、長年の経験と知恵を生かしながら焙じているようです。

「加賀棒ほうじ茶」に合わせたいおすすめ料理

ー油谷さんおすすめの、加賀棒ほうじ茶とペアリングしたい料理はありますか?

「うちは、そんな大したものを食べてないんですけど(笑)、煮物にすごく合います。お豆腐を食べるときにも、加賀棒ほうじ茶を飲んで味わっていますね。しょうゆ味の料理と相性がいいみたい。料理ではありませんが、おかきと合わせるのもおすすめです」

とは言え、加賀棒ほうじ茶はどのような料理にも合わせられ、おいしく飲めるのだとか。すっきりとした味わいだからこそ、揚げ物と合わせて飲むのも良さそうです。

気軽に本格的な加賀棒ほうじ茶を味わってみて

ポッカサッポロが日本のために何かできないかと考え、「TOCHIとCRAFT」プロジェクトから生まれた「加賀棒ほうじ茶」。日本各地にあるお茶や果汁などの素材を見つけ、商品化することでその素材の良さを全国に広めたいという想いで始めたそうです。

石川県で焙煎し、温度にこだわって抽出された加賀棒ほうじ茶を、いつでもどこでも気軽に飲めるのはうれしいもの。ぜひ、見かけたら手に取ってみてくださいね。
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