4. 路地裏で連日行列!「シバカリーワラ」

Photo by 恩K

三軒茶屋に暮らす人たちにおすすめのカレー店を尋ねたら「shiva curry wara(シバカリーワラ)」の名前が必ずといっていいほど出てきます。それほど、三茶民から一目置かれる存在のインドカレー店といえるでしょう。

店内に入る階段をあがるときからすでにカオスな雰囲気満点で、ドアを開けると食欲をそそるスパイスの香りに迎えられます。ヒンドゥー教の神さまであるポートレートやインドの小物、そしてスパイスの入った瓶が所狭しと置かれた奥にはインド人シェフたちの姿が。

こぢんまりとした空間に身を置くと、一瞬ここが日本であることを忘れてしまいそうになるかも。カレーを食す前からそんな旅気分を味わえるのも、お店の魅力なのです。

ナマステランチ スペシャル3種盛り

「シバカリーワラ」のカレーを体験したいという人は、ぜひランチタイムを。登場する3種のカレーは日替わりで、当日看板に書かれます。筆者は何度かランチタイムに訪れていますが、一度として同じカレーを食べたことがありません。それほどバリエーションが豊かなのです。

3種のなかから1種を選ぶこともできますが、初めて訪れたら3種盛りで好みの味を見つけてはいかがでしょう。具材はチキン、シーフード、豆、野菜など多彩。スパイスは、インドのものだけでなく、タイのトムヤムクンに使われるバイマックルー(コブミカンの葉)を使うことがあり、異国の味を融合した自由度の高いカレーが登場することも。

セットに付いてくる焼きたてのナンがなくなることに一抹の寂しさを感じてしまうほど、余すところなく楽しめます。
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5. プルプルの豚バラ軟骨カレー!「とんがらし」

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オープンは1997年、この記事でご紹介する6店のなかで一番古いカレー店が「とんがらし」です。女性オーナーひとりで切り盛りするお店は、カウンター7席のみのアットホーム空間。仕事帰りに決まってここのカレーを食べる女性もいるのだとか。

お店で提供されるのは、オーナーがインド人夫妻から習ったカレーを日本風にアレンジしたオリジナルカレー。鮮やかな黄色が食欲をそそるターメリックライスとともにいただきます。ちなみにサフランライスは大盛無料。カレーによく合うので、女性でも大盛を注文する人は少なくありません。

豚バラ軟骨カレー

5種類あるカレーのうち、一番人気は「豚バラ軟骨カレー」です。キャッチフレーズは“細胞が記憶するカレー”。煮込みから仕上げまでに10時間かけた豚バラ軟骨のほか、トマト、ほうれん草と松の実が入っています。

酸味とほのかな甘みがやみつきになるカレーとサフランライスの組み合わせが絶妙で、リピーターが多いのも納得です。

食後のお楽しみはサービスデザートの「愛玉子(オーギョーチー)」。台湾産の黄色いゼリーは喉越しがよく、パンチの効いたカレーを食べたあとのクールダウンになりますよ。
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6. 孤高のインド料理店「サンバレーホテル 」

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2016年にオープンした「サンバレーホテル 」によって、三軒茶屋はカレーファンをより多く取り込んできたように思います。とくにインドカレーにおいては、前述した「シバカリーワラ」と共に裾野を広げた立役者といえます。

お店で提供するのは昼と夜で異なるカレーやビリヤニ、それまで三茶にはなかった「ベジミールス」「ノンベジターリー」「ドーサ」など。ユニークなのは、営業日とその日のメニューは公式Twitterのみの情報提供で、予約は店頭に置かれた記帳シートに書き込むという点。三茶の飲食店では例を見ないスタイルです。

ベジクルマ

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1,000円(税込)
記帳式で、その日のメニュー分量に合わせて予約を打ち切るとあって、なかなか入店がむずかしいお店ですが、筆者は3回目のトライで初訪問でした。お店の内装はコテコテのインド風と思いきや、コンクリート打ちっ放しの壁や大理石のテーブルなどコンテンポラリーな雰囲気。

そんなオシャレ空間で味わえるのは、当日メニューに並ぶ数種類のカレーです。なかでも「ベジクルマ」は、今まで体験したことのないカレー。トマトベースのルーに大ぶりなニンジンを合わせ、アクセントに効かせた香草の香りを楽しみながら味わいます。バスマティライスともよく合う。

その日のカレーを堪能したあとはぜひ、「クルフィ」(インドのアイスクリーム)を。濃厚な甘みながら舌ざわりが軽く、スパイスたっぷりのカレーを食べたあとの口に涼しさを運んでくれます。カレーにクルフィ、「サンバレーホテル」はインド料理の奥深さを感じさせるお店です。
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