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この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。
Summary
1.パフェマニアから絶大な支持を集めるシェフの新天地! 上野毛『ラトリエ ア マ ファソン』
2.素材、おいしさ、ビジュアルetc…すべての要素を徹底的にこだわったパフェにうっとり
3.イチゴだけど、イチゴじゃない!? “だまし絵”と名付けられたパフェの仕掛けに驚き!
素材も味もすべてにこだわる! パフェの新たな聖地が上野毛に誕生
「パフェの聖地」とも呼ばれ、スイーツ好きからの圧倒的な支持を得ていた町田の『カフェ中野屋』(現在は茶房 中野屋)。
同店を仕切っていたのは、15年以上も独創的なパフェを作り続ける生粋のパフェ職人、森郁磨さんだ。その森さんが独立し、新たな展開として立ち上げたのが、上野毛の『L'atelier à ma façon(ラトリエ ア マ ファソン)』。
同店を仕切っていたのは、15年以上も独創的なパフェを作り続ける生粋のパフェ職人、森郁磨さんだ。その森さんが独立し、新たな展開として立ち上げたのが、上野毛の『L'atelier à ma façon(ラトリエ ア マ ファソン)』。
森さんの作るパフェは、精緻な美しさに思わず目を奪われてしまうが、その魅力は見た目だけではない。味、香り、食感の多彩さにうなる、まさに“才色兼備”のパフェ。その奥深い世界をご紹介しよう。
静かな街にひっそりと佇む、アトリエのような一軒
場所は、東急電鉄大井町線「上野毛」駅から程近く。
『ラトリエ ア マ ファソン』の「ラトリエ」は「工房」、「ア マ ファソン」は「私の流儀」という意味。店名の通り、森さんがより自由に創作に打ち込める場所だ。
『ラトリエ ア マ ファソン』の「ラトリエ」は「工房」、「ア マ ファソン」は「私の流儀」という意味。店名の通り、森さんがより自由に創作に打ち込める場所だ。
空間作りで最もこだわったのは、店内に差し込む光だという。やわらかな自然光がパフェを美しく照らしてくれる。
壁の色は、オフホワイトやマットグレーなど場所によって異なり、20席ほどのカウンター席やソファ席もそれぞれ個性の違った家具が使われている。同じ店内でありながら、ナチュラルだったり、クラシカルだったりと異なる雰囲気でパフェを楽しむことができる。
パフェ歴15年以上、職人気質のシェフの店
森さんのキャリアは、『ホテルニューオータニ東京』の料理部門からスタート。飲食にまつわるさまざまなことを学んだ後、老舗和菓子屋からの依頼で、うどんとパフェをメインとした『カフェ中野屋』をオープンさせた。
今でこそ伝説的な存在となった『カフェ中野屋』であったが、実は森さん、開業当時はパフェもうどんも未経験。しかしながら、期待に応えたい一心で研究を重ねた森さんは、パフェのみならず、うどんの分野でもレシピ本を出すほど話題を集めた。
今でこそ伝説的な存在となった『カフェ中野屋』であったが、実は森さん、開業当時はパフェもうどんも未経験。しかしながら、期待に応えたい一心で研究を重ねた森さんは、パフェのみならず、うどんの分野でもレシピ本を出すほど話題を集めた。
のちにメディアにも取り上げられるなど大反響を呼び、『カフェ中野屋』は、アートなパフェが食べられる店として行列の絶えない人気店となった。
そして2019年12月、これまでの集大成のような『ラトリエ ア マ ファソン』が誕生。
パフェを作り続けて16年、そのレシピは250種類を超すという森さん。
その中から約10種類ほどが常時メニューに並ぶが、いずれも創意工夫に溢れ、しばらくメニュー表とにらめっこしてしまうほど、迷うこと必須だ。今回はその中から2品紹介しよう。
イチゴたっぷりのスイートなパフェは、ノルマンディー地方の伝統菓子がモチーフ
「ピュイダムール オ フレーズ」(写真上)は、“愛の泉”という意味を持つロマンチックな名前のパフェ。前店舗からの人気メニューだ。
甘くキャラメリゼされたクリームと、サクサクしたパイが魅力のノルマンディー地方の伝統的なケーキ「ピュイダムール」を森さん流に再構築し、パフェに仕立てている。
▲グラスは、イチゴとムースのバランスに高さを合わせた特注品
グラスの中には、イチゴの他に、ハチミツとホワイトチョコレートのムース、フランボワーズのソルベとジャムといった、イチゴと好相性のパーツがぎっしり。
グラスの中には、イチゴの他に、ハチミツとホワイトチョコレートのムース、フランボワーズのソルベとジャムといった、イチゴと好相性のパーツがぎっしり。
イチゴは、フレッシュなもの(グラス内)とフランボワーズソースでマリネされたもの(トッピング)の2つの味わいが楽しめる。ほんのり甘いムースと香ばしいパイ生地にイチゴを合わせれば、スプーンが止まらなくなるおいしさだ。
トップに乗せられているのは、表面をキャラメリゼしたフロマージュブランのシブースト(カスタードクリームがベースのアパレイユ)。フロマージュブランは爽やかな酸味があり、キャラメリゼのほろ苦さが心地よい。周りに散りばめられているのは、刻んだイチゴとハチミツのジュレ。
多彩な味わいの中にも、ミルキーなチーズクリームとマリネされたイチゴの組み合わせがどこか懐かしい。驚きの中に潜む親しみのある味わいが、もっと食べたいという気持ちを呼び覚ましてくれる。
これはイチゴ? それとも…? 「だまし絵」なパフェの魅力にハマる
花器にパフェを盛り付け、鏡をトレーの代わりに使った一幅の絵のような一品「苺と白苺、柚子の香るトロンプルイユ仕立てのパフェ」(写真上)。
“トロンプルイユ”とはだまし絵のことだが、どこが“だまし絵”なのだろう…?
そんな疑問を持ちつつのぞき込んでみると、ピンク色のイチゴ「淡雪」と白苺「パールホワイト」に交じって、プルンとした半透明のイチゴが紛れている。なんと、イチゴに見立てたライチゼリーだそう!
イチゴの下にふんわり敷かれているのは、泡状の甘酸っぱいベリーソース。その下の薄い板状のホワイトチョコレートをパリンと割ると、中から和紅茶のパルフェ、柚子、フィナンシェなどが現れる。ちりばめられたチョコクランチの食感も実に楽しい。
甘酸っぱいイチゴと、芳醇なミルクティーのような味わいのパルフェのマリアージュが絶妙。そこにエキゾチックな甘さのライチのゼリーが加わると、不思議なおいしさが生まれる。ひと口ごとに味わいと食感が異なり、あまりに豊かな余韻にうっとりしてしまう。
メニュー名に「苺」とあるので、王道のイチゴパフェを想像してオーダーすると、良い意味で裏切られる一品。そのギャップも、森さんの狙いなんだとか。
森さんの作るパフェは、一見自由に発想されているように見えるが、一つひとつの要素に意味があり、味わいのバランスも細やかに計算されている。また、フランス伝統菓子をモチーフにしていたり、絵画や建築から発想のヒントを得ていたりと、先人たちへのリスペクトを感じるのも特徴だ。
パフェに負けないほど美しい! オリジナルドリンクもおすすめ
パフェ専門店である同店では、1ドリンク1パフェのオーダーが基本。
丁寧にドリップして淹れるコーヒーや、こだわり茶葉の紅茶もお薦めだが、鮮やかなビジュアルのオリジナルドリンクもぜひ試してほしいところ。
「セパレートハーブティー」(写真上)は、桃の香りを付けたローズヒップティーと、バタフライピーというハーブをブレンドしたハーブティーの2層から成る。まるで徐々に夜が明けていく朝焼けの空を思わせるグラデーションが美しいドリンクだ。
スイートな見た目とは裏腹に甘さ控えめで、ラベンダーを思わせる華やかな香りが、パフェのお供にぴったり。
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