ライター : ☆ゴン

ハヤシライスの発祥と名前の由来

お子さんから大人まで幅広い年齢層に愛され続ける、洋食店の看板メニューであるハヤシライス。その発祥や名前の語源には諸説あり、定かではありませんが、そのなかから人名や欧風料理など、これはと思われる由来を探ってみましょう♪

ハヤシライスは人の名前に由来とする説

上野精養軒のシェフ、林さんのまかない飯

明治初期創業の上野精養軒で、当時勤めていた林さんというシェフが作ったのがはじまりという説。牛肉の切れ端と余った野菜をデミグラスソースで煮込み、ライスにかけた従業員用のまかない飯を、シェフの名を冠してお店で提供するようになったといわれます。

実際にその林シェフがいたかどうかは不明ですが、いまの上野本店をはじめとした都内11店舗で、元祖といわれるハヤシライスををいただけると評判です。

早矢仕 有的(はやし ゆうてき)氏が起源

一方で大手書店「丸善」の創始者の名前から、ハヤシライスが生まれたという説もあります。早矢仕氏の名が語源だとする説にはふたつあり、かつて医師として勤めていた病院で、肉と野菜の煮物をご飯にかけて患者の食事としたという説がひとつ。

もうひとつは、創業後に仕事仲間をなじみの西洋料理店へ連れて行き、肉と野菜のソース煮込みに、ライスを添えて出させたことからついたという説です。当社の社史にはこの説が掲載されていて、丸の内本店や日本橋店併設のカフェで名物メニューとなっています。

ハッシュドビーフから由来したとする説

ハヤシライスの名前の由来として、ハッシュドビーフが起源という説もよく知られた話。いまは外国でハッシュドビーフという料理名は認知されていませんが、かつて英国料理に牛肉煮込みの古い同名レシピがあったとされます。

その「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」を省略してハッシライス、ハイシライスと呼ぶうちに、ハヤシライスとなったとする説が有力です。大阪や神戸などの老舗洋食店の一部で、現在でもメニューにハイシライスと明記しているお店がありますよ♪

早死にする!? 物騒な言葉に由来する説

江戸時代末期から明治へ入ると洋食文化が急速に普及しはじめ、人々は鶏や牛、猪などの肉を食べるようになりました。

昔から肉を食べる習慣のなかった日本人のなかには、肉食を忌み嫌う人も多く、「肉を食べると早死にする」という噂が広がり、早死ライスと呼ばれるようになったという説です。さすがにこれは信憑性に欠けますね。
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