ライター : pomipomi

webライター / 料理研究家

とちおとめのおいしい秘密◎

「とちおとめ」とは、栃木県農業試験場で育成され、1996年(平成8年)に品種登録された苺のことを言います。「久留米49号」に「栃の峰」を交配して選抜・育成された品種で、現在では栃木県内で生産されている苺の9割以上がこのとちおとめとなっているそうです。 とちおとめは全国的に見ても現在もっとも多く作られている品種で、東日本ではシェアNo.1を誇っています。

とちおとめの特徴

とちおとめは一般的に、粒が大きめで形がよく、鮮やかな赤色をしています。糖度が高く、適度な酸味を持っており、果汁もたっぷりでジューシーな味わいです。果肉が詰まっているのでしっかりとした歯ごたえがあり、比較的日持ちがするのも魅力のひとつとされています。 収穫してすぐのものは甘く強い香りがするのも特徴で、鮮度を見極めるための判断材料として香りを重要視することもあるそうです。

とちおとめの誕生と後継品種

「女峰」から生まれた

とちおとめが誕生するまで、東日本の苺の代表品種は「女峰(にょほう)」でした。果皮が濃い赤色で形が美しく、甘味と酸味がしっかりと感じられる味わいが人気でしたが、のちに、酸味がおだやかで甘味の強い品種が次々と登場するに従い、栃木県でも苺の品種改良が進んでいったのだそうです。 女峰の特性である色の鮮やかさや形の良さを受け継ぎながら、粒は大きく、甘みは強く、果汁の多い苺を作り出すことに成功。女峰は徐々にとちおとめへとシフトチェンジしていきました。

後継品種のスカイベリー

とちおとめの後継品種に「スカイベリー」という苺があります。スカイベリーは、25g以上の果実の発生割合が6割を占めるという、極めて大果な苺です。また形はきれいな円錐形で、果色は色鮮やかで光沢があり、病気や寒さに強いという特徴もあります。糖度と酸度のバランスもよく、ジューシーでまろやかな味わいです。 平成6年から17年間もの時間を費やし、研究に研究を重ねて誕生したスカイベリー。近年徐々に生産者も増えてきてはいますが、まだまだ希少な苺です。

とちおとめの旬と産地、正しい保存方法とは

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