ライター : macaroni_repro

いままでにない「進化系日本酒」って?

この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
日本酒好きな人にこそぜひ知ってほしい新世代のお酒が、続々と登場しています。日本酒の従来のスペックにこだわっていなかったり、アルコール度数がビールのように低かったりと、「日本酒とはこういうもの」というセオリーを破る、自由な発想から造られているんです。
ひと口目に絶対に驚くその存在は、いわば「アドバンテージ日本酒」といったところ。伊勢丹新宿店の和酒担当・倉友桐さんが、特に注目する5つを紹介します。

キーワードは「低アルコール・酸・低精米」

「日本酒ブームが久しいなか、これまでは淡麗辛口ブーム、プレミアム銘柄ブームなど、一極集中人気が続いていました。一方で、若い造り手たちが『日本酒の魅力はもっと幅広い』ということを表現しはじめたんですね。味わいに自分たちの酒造りのコンセプトを明確に出したり、具体的にどんなシーンで楽しんでほしいかを想定して仕上げたりなど、より振り切った個性的なお酒が、全国の蔵から続々誕生しているんです」
新しい日本酒の注目ポイントは、アルコール度数と酸の扱い方、そして精米歩合です。
「日本酒は15~17%のアルコール度数が一般的ですが、極端に低いアルコール度数に落としたものが目立ちます。また日本酒において、酸味も味わいの印象を決める特徴のひとつですが、その酸をどんなニュアンスで出すかによって個性を表現しているお酒が増えているんです。さらに低精米のトレンドも見逃せません」

<川鶴酒造>乳酸系でさっぱりゴクゴク飲める!「讃岐くらうでぃ」

<川鶴酒造>讃岐くらうでぃ(720ml)  1,296円(税込)
今回紹介するなかでも、アルコール度数の低さで際立っているのが香川県<川鶴酒造>の「讃岐くらうでぃ」。その名の通り、雲のような色合いの濁り酒です。
「アルコール度数6%、という驚きの低さ。乳酸系で、ヨーグルトのような風味を感じます。甘酒のように麹の味わいがしっかり立っていますが、米くささのようなものはまったくなく、後味はさっぱり。おすすめの飲み方はロックです。アペリティフとして楽しんだり、味の濃いお肉料理などと一緒に、ゴクゴク飲めるお酒です」

<伴野酒造>フルーティで甘酸っぱい「ボー・ミッシェル」

<伴野酒造>ボー・ミッシェル(500ml) 1,080円(税込)
まるでワインのようなおしゃれなボトルに入った「ボー・ミッシェル」も低アルコールに振り切った1本。音楽を聞かせて味がまろやかになる、というこだわりもユニークです。
「アルコール度数は9%、特別な仕込み方法で低アルコールに仕上げています。りんごのような香りと後味が印象的な、甘酸っぱいお酒。クリアな甘みで、同じ低アルコールでも『讃岐くらうでぃ』の乳酸系とは方向性が違いますね。日本酒独特のうまみの風味は控えめ。フルーティで飲みやすいので、日本酒ビギナーの方にもおすすめです」

<せんきん>甘酸っぱさは洋食にもぴったり「モダン仙禽 無垢」

<せんきん>モダン仙禽 無垢 (720ml) 1,350円(税込)
続いては、酸味に振り切った日本酒を紹介。栃木県<せんきん>の「モダン仙禽 無垢」は、30代の蔵元の兄弟が、蔵が考える「新しい日本酒」を表現したお酒です。
「お兄さんがソムリエの経験を持つ方ということもあってか、日本酒にワインのような解釈が加えられ、酸を活かした味わいに仕上げられています。フレッシュな酸味と甘みが立ち、果実のような香りで飲みやすい味わい。飲みなれた日本酒とは別の角度から食事とのペアリングにアプローチし、特に洋食と相性抜群。人気銘柄『仙禽』の哲学を感じる入口としても相応しい1本です」

<美吉野醸造>うまみと酸味のバランスが新鮮「花巴 水酛」

<美吉野醸造>花巴 水酛(720ml) 1,512円(税込)
奈良県<美吉野醸造>「花巴 水酛」は、昔ながらの酒造りをベースに、古くて新しい味わいを目指した1本。
「自然の力だけで発酵させる古来からの手法『水酛仕込み』で作られています。米のうまみが立った『これぞ日本酒』というクラシカルな味わいながらも、乳酸系のヨーグルトのようなさわやかな酸味も兼ね備え、その絶妙なバランスにハッとするはずです。柿の葉寿司などの発酵食品や、クセのあるジビエなどとよく合います」
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