ライター : dressing

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さりげなく、美しい! 日本料理の真髄を味わう佳店が新たに誕生

東北最大の繁華街・国分町。わずか0.1㎢の中に約2,400軒の飲食店がネオンを灯す2丁目がその中心地だが、ここ最近はやや閑静な周縁のエリアに佳店が増えている。
こちらの日本料理店『すぐり』が暖簾を掲げるのも、2丁目の賑わいから定禅寺通りを渡った国分町3丁目の一角。ビルの1階に小さく灯る行燈看板が目印の、おくゆかしい佇まいだ。
ドアを開ければ、ひらりと内暖簾。白地に店の名と、名の由来となった赤い実の植物。二重扉を入れば、季節を活けた花器と坪庭が出迎え、ビルの中ながら丹精した路地の趣を有している。
まず目に入るのは、シンプルなカウンター席。愛らしい香合を飾ったこの席は、ふたりでの訪れやひとりランチなどにも最適。奥には3つの個室があり、2~4名での利用が可能。
きっぱりと直線を組んだ清々しい秋田杉のカウンターで、店主である秋田克志呂さんが包丁を振るう。
今なお歴史に名を遺す仙台の名料亭で料理人としての第一歩を踏み出した秋田さんは、日本料理をただ一筋に歩んできた一徹の人。松島の美しい眺めと三陸の幸で評判の高級宿『松庵』の料理長を努めあげ、2017年の秋に満を持して自らの店『すぐり』をオープンさせた。
秋田さんは、素材の持つ胆力や旬の勢いを曲げず逸らさずまっすぐに調理する。しかしそれでいて、誂(あつら)えた晴れ着を着せたような華やぎにも満ちている。
そのままでも十分においしい三陸の魚介や野菜を、さらにおいしく、驚きのある味わいに仕立てて楽しませてくれるのだ。 「最高の魚、最高の野菜のために漁師さんや野菜の生産者さんたちがどれだけ一所懸命に仕事をしているか。それを知っているから、素材の良さをさらに磨いた味わいに仕立てるのが料理人の仕事だと思っています」(秋田さん)

鮮やかな起伏に富んだコースに繊細な技が満載!

一品料理とお酒、という気軽な楽しみ方ももちろんできるが、やはり真価はコースにあり。夜のスタンダードコース「けやき」は、ウニのプリンに生のウニとリンゴ酢のジュレを冠した一品でスタート。ウニの濃厚なうまみとジュレの爽やかさが、コースの幕開けを鮮やかに飾る。
前八寸(写真上)には、3つの器に10種以上の料理を寄せて。マグロとウドを市松にした湯葉巻き、帆立の焼き霜造り、菜の花とボッケの磯辺巻き、志津川タコの柔らか煮、フキと白魚、ハマグリの木の芽味噌など、まさに早春が香り立つ味わいぞろい。
閖上(ゆりあげ)名産の赤貝は、その透明感あふれる鮮度のまま酢の物に。ハマグリの潮仕立てでは、ふっくらとした身とともに、ハマグリの滋味そのもののダシと塩加減を楽しむ。

仙台ならではの素材にさらなる精気を吹き込む!

松島といえば、牡蠣と並んで有名なのが穴子。春の穴子は脂がのりすぎず、白焼きで味わうには最適の頃合い。表面はぱりっと香ばしく、中はふっくらほこほこ。ウルイとタラの芽を合わせ、海の春と山の春がここでも揃い踏みだ。
素材の良さはもちろん、日本料理の根本であるだしのおいしさにはっとさせられるのが、アイナメを主役にした「春の吹き寄せ」。葛を打ったアイナメを八方だしでやさしくやさしく炊いて、筍や山菜といった春山の精気とともに大鉢に寄せる。すべての素材はその身の中に味を留め置きながら、だしにも穏やかにうまみを移している。
松島『松庵』の料理長を務めていた頃から評判の高かった味わいを、『すぐり』にも採り入れて。柔らかくぷりぷりとした弾力に満ちた鮑を肝ソースとともに松前焼に。
コースの食事には、炊きたての土鍋ごはんが登場。一迫産のひとめぼれを高温で一気に炊きあげ、自家製の鯛山椒をたっぷり散らして。
地の魚、地の野菜にぴったりなのは、やはり地の酒。「綿屋」「萩の鶴」「日高見」「阿部勘」「乾坤一」と、山の酒・海の酒、北から南まで、純米吟醸酒を中心にセレクト。時季限定の隠し酒やワイン、シャンパーニュなども揃う。
ランチタイムには、旬の野菜をたっぷり採り入れた「昼のコース」が楽しめる。この日は八寸、苺のドレッシングで味わう「白身魚の春サラダ」、「山菜とワカメの小鍋仕立て」、トマトと味噌、鰹ダシで2日間煮込んだ「牛肉の煮込み」など。 店名であるすぐりの花言葉は、「もてなしのこころ」、「あなたを喜ばせたい」。小さいけれど、心を打つ鮮やかな赤と酸味を有するこの果実のように、料理の味わいで、しつらいで、訪れる人を心からもてなしたい。そんな秋田さんの思いが、この名に表れている。 【メニュー】 夜のコース「けやき」 7,000円 夜のコース「もみじ」 10,000円 夜のコース「すぐり」 12,000円 一品料理 1,000円~ 昼のコース 3,500円 ※価格は税別。

日本料理 すぐり

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