ライター : dressing

東京・狛江の住宅街の一角にブルワリー&レストランがオープン

この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。
小田急電鉄小田原線の狛江駅からバスで約10分。静かな住宅街のただなかに、シックな外観と凛と立つ一本の木が目印のレストランがオープンした。
その名も『籠屋 たすく』。目印は、ガラス窓越しに見える醸造タンクだ。同店は狛江市内で初となるクラフトブルワリーを併設しており、店内で出来立てのクラフトビールを楽しむことができる。
エントランスをくぐると、右手に『籠屋ブルワリー』の醸造施設があり、その奥左手にレストランの入り口が見える。 レストランは1階と2階で構成。中庭をのぞむガラス張りの店内は、さながらスタイリッシュなカフェのようでもある。しかしながら『籠屋 たすく』を経営するのは隣接する老舗の酒店『籠屋 秋元商店』。老舗酒店ならではの豊富なアルコールのラインナップとともに「発酵」をテーマにした本格的な料理を味わうことができる。

ボリューム満点なのにとってもヘルシー! 大満足のランチセット

ランチタイムのセットメニュー(写真上)は、肉または魚のメインディッシュに加え、前菜の3種盛りと玄米ご飯、サラダ、デザート、ドリンクが付く。 この日の前菜は、味噌と塩酒粕で味付けした「鱈とじゃがいものキッシュ」、自家製豆乳マヨネーズを使った「カボチャのサラダ」、そして「豆腐とワカメの醤油麹和え」の3品。メインの魚料理はほんのりとディルが香る「鮭の塩麹ハーブ焼き」、デザートには「酒粕のパウンドケーキ」と、ボリューミーかつ発酵調味料をふんだんに取り入れたヘルシーな品々が並ぶ。 これだけのボリュームがありながらもパクパクと食べ進められる理由は、同店で使用する発酵調味料にある。

発酵調味料は一から手作り。 ブルワリー併設だからこそ作れる、オンリーワンの調味料

たとえば写真右下は、醤油麹(写真上)や塩麹の元となる生の麹。同店では、併設ブルワリー内に設置されている酵母の培養設備と酒米、麹菌を使って、麹を一から手作りしている。 鮮度や保存状態によっておのずと生きた菌の活性度合いが異なってくる生麹を、ベストな状態で加工・調理しているのだ。 また、写真左下の白いペーストは、昨今話題の万能調味料・塩酒粕。水や酒などで溶いてゆるい液状にした酒粕に、塩を加えて味を調えたものだが、こちらでは奈良県の『油長酒造』の銘酒「風の森」の真っ白な酒粕を使用。上品な香りと風味のよさは格別だ。 『籠屋 たすく』では余計な油や不自然な化学調味料を一切使用せず、これらの発酵調味料をふんだんに使用したメニューをそろえている。

自家製ビールとの相性もバツグン! 発酵調味料により素材のおいしさが引き立つ前菜

自家製クラフトビールを味わいながらつまみたいのが、和洋折衷の創作料理約20品がオンリストする前菜。好みのセレクトで3種盛り合わせにすることもできる。 塩酒粕で味付けしたコクのある「冷製のラタトゥユ」(写真右)食感がやわらかく根菜のうまみを感じられる「醤油麹のきんぴらごぼう」(写真左)、クミンなどのスパイスをアクセントにした「塩麹でもんだ白菜のコールスロー」(写真上)など、クラフトビールとの相性もばっちり。おのずと杯が進んでしまう。

ピザ生地の発酵に「ビール酵母」を使用!?

こちらはぜひオーダーしてほしい「自家製ピザ」(写真上)。トッピングとして自家製の鶏ハム、チーズ、バジルが乗っており、ピザとしては比較的あっさりめ。その分、生地の豊かな風味が際立ち、味わい深い一品だ。 おいしさのポイントは、生地の発酵過程にある。というのも、生地にはブルワリーの発酵タンクに残ったビール酵母が使われているのだ。 ビール酵母にはアミノ酸や各種ビタミン郡、食物繊維などが豊富に含まれており、整腸剤やサプリの原料に使われているほど栄養満点。そしてその豊かな風味を活かすため、原材料として全粒粉を使用している。そのため、みっしりとした歯ごたえと香ばしい風味のある生地が完成する。

名物のポルケッタは低温でじっくり焼成し、うまみを引き出す

こちらは名物の「塩麹に漬けた豚バラとハーブのポルケッタ」(写真上)。 ポルケッタとは、イタリア版ロースト・ポークのこと。豚バラの塊肉にタイムやセージ、ローズマリー、ニンニクなどを巻き込み、塩麹に一晩漬け込んだ後100℃で約4時間ロースト。提供前に再度グリルし、トマトマリネと一緒にいただく。 麹の焦げた芳ばしく甘い香りはなんとも食欲をそそる。低温でじっくりと火を施すことで余分な脂が抜け落ち、外側はカリカリ、中身はジューシーに仕上がっている。
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