グラッパのアルコール度数

30〜60度

グラッパは蒸留させてつくるお酒のため、ワインなどの醸造酒と比べると、必然的にアルコール度数は高くなります。市販されているグラッパの多くは40度前後が平均的なようですが、ものによっては30度、中には60度になるものも存在します。かなりアルコール度数が高く、飲む際には量の加減が必要ですね。 アルコール度数の大きな開きは、グラッパの原料である、ぶどうの搾りかすが白ワインのものか赤ワインのものかで、あらかじめ含まれるアルコールの度数が違うためです。また、蒸留の過程や作り方にも差があるためだと考えられています。 ちなみにイタリアで「グラッパ」と表記できるのは、搾りかすだけをそのまま蒸留した場合のみ。糖分を加え、再醗酵したものは「アクアヴィーテ・ヴィニカ」となります。そして、搾りかすにワインも加えて蒸留したものは「アクアヴィーテ ディ ウヴァ」と表記するよう定められています。

その他蒸留酒と比べると?

高いアルコール度数を誇るグラッパは、リキュール(蒸留酒にフルーツやハーブを加えた混成酒のこと)を作る際にも用いられます。 白ワインを蒸留させて作るブランデーは40度。同じく、白ワインから作られるお酒で、アルコール度数が高いと思われているシェリー酒は、実はワインの一種で20度前後が中心です。 また、スピリッツとして名高いテキーラやウォッカは、アルコール度数の規定の幅が広いのですが、一般的には40度前後とされています。これらのお酒とひけをとらないアルコール度数の高いグラッパ、日本で「火酒」と呼ばれる由縁です。

グラッパの飲み方

グラッパについてだいぶよくわかってきましたね。まだ馴染みのない方も安心して飲める、グラッパの飲み方を調べてみました。

食後に飲む

グラッパはチェッロと並んで、イタリアンの食後酒として定番です。食後にグラッパなどのアルコール度数の高いお酒を飲むと、胃液の分泌を促してくれる働きがあると言われています。フルーティーな香りを楽しむため、専用のグラスでストレートで飲むことが多いです。最近は他のスピリッツ同様、冷凍庫でキンキンに冷やして、提供する店舗も増えています。 ストレートで飲むことが一般的ですが、華やかな香りはコーヒーととても相性が良いので、エスプレッソに混ぜて飲んでもとてもおいしいですよ。

エスプレッソで割って飲む

グラッパ・コン・モスカ
カクテルに分類されることもある、とても遊び心のある飲み方です。ショットグラスや小ぶりのリキュールグラスに入れたグラッパに、コーヒー豆を3粒ほど浮かべます。コーヒー豆に火をつけ、20~30秒ほどで火を消して飲みます。 筋状になって落ちるコーヒー豆のエキスも楽しめますが、グラッパにコーヒーの香りがつくほどではありません。モスカ(mosca)は蝿の意味。ちょっとシュールですが、こんな意外な飲み方を知っていると遊び人な大人っぽいですね。もちろん、飲む際には熱くなったグラスが充分に冷えていることを確認してください。
カフェ・コレット
イタリアではエスプレッソに甘いお酒を混ぜた飲み物を「カフェ・コレット」と呼びます。淹れたてのエスプレッソにグラッパ20ml、砂糖小さじ1~2杯を入れ、軽く混ぜて飲みます。 イタリアでは、そもそもエスプレッソにかなり(エスプレッソに溶け切らず、カップの底でジャリジャリするくらい)の砂糖を入れる方も多いので、砂糖の量はお好みで。グラッパではなく、アマレットなどの甘いリキュールを使う場合はあまり砂糖は入れないです。
レゼンティン
使う材料は、エスプレッソにグラッパ、砂糖です。カフェ・コレットと同じですが、飲み方に特徴があるのが「レゼンティン」ですね。 まず、淹れたてのエスプレッソに砂糖を入れ、砂糖が溶け切らない程度に軽く混ぜ、一気に飲み干す。飲み終えた後、溶け切らずに残った砂糖がついたカップに、グラッパを適量注ぎ混ぜて飲みます。エスプレッソの香りがついた砂糖で、グラッパを甘くして飲むのがポイントです。
カフェ・プロフマート
カフェ・プロフマートは、グラッパの飲み方というよりは、エスプレッソの飲み方の一種です。淹れたてのエスプレッソに砂糖を入れ、軽く混ぜます。そこにスプレーでグラッパを吹きかけて飲みましょう。 華やかな香りのモスカート系のグラッパや、ブランデーのように熟成されたグラッパが適しています。ドリップコーヒーが主流の日本では、まだまだ馴染みの薄いエスプレッソですが、色々な楽しみ方があるんですね。

グラッパのグラス

ワイングラスも銘柄や産地にあわせてさまざまありますが、ブランデーグラスも同様。ブランデーの場合、一昔前までは高級品以外、質が低かったです。手の体温でブランデーを温ることで香りを出すために、チューリップ型の大きいグラスに短いステム(脚)のついた形になったと言われています。
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