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チーズをラップで包んで保存するのは間違い!
この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
食べきれずに残ったナチュラルチーズ。「後日の楽しみに……」と、ラップで包んで保存していませんか? 実はソレ、間違いだったんです!
「まずはオーブンペーパーで包むのが正解です!」と教えてくれたのは、伊勢丹新宿店のナチュラルチーズ専門店<フロマジュリ―HISADA>の店長、榎島功さん。
「ラップで包んではいけない理由はふたつ。①ラップの石油臭さが移ってしまうから。そして、②発酵過程の呼吸や水分調節が妨げられてしまうからです」
発酵食品であるナチュラルチーズは、熟成がうまくいかないと味わいが劣化していきます。榎島さん曰く、正しい保存方法を知ればチーズの熟成に差が出て、美味しさまで変わってくるそう。
プロに教わる「ナチュラルチーズの保存方法&食べごろの見極め方」
そこで代表的なナチュラルチーズについて、詳しく教えてもらいました。チーズによって冷蔵庫の「チルド室」「野菜室」「冷蔵室」のどこに保存するのかも注目です!
① カマンベール(白カビタイプ)
ふわふわの白いカビの外皮に覆われた【白カビタイプ】の代表・カマンベール。ブリード・モー、シャウルスなども同タイプで、熟成によって味わいが変化しやすいチーズです。
外皮が蒸れないようオーブンシートで包み、あればチーズが入っていた木枠に戻し入れます。さらに密閉容器に入れて(このときパセリやレタスを一緒に入れると乾燥が防げる)、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。1週間に2回くらい、上下を返すと熟成が均一に進みます。
外側から内側へと熟成は進み、若いときはかためでほのかな酸味があり、熟成が進むほどとろけるようなやわらかさに。熟成しても見た目はあまり変わりませんが、カマンベールによっては苦みが出るので、その場合は食べごろを過ぎたと思ってください。
②モッツァレラ、マスカルポーネ(フレッシュタイプ)
見るからにミルキーなモッツァレラ(写真左)やマスカルポーネ(写真右)は、【フレッシュタイプ】のチーズ。数日で作られ、熟成させずにミルクの新鮮な風味を楽しみます。クセがない味わいとしっとりソフトな食感が特徴。リコッタやフロマージュブランも同類です。
モッツァレラは断面を下にして、浸かっていた乳清とともに保存容器に入れて冷蔵庫へ(左写真)。マスカルポーネはオーブンシートで表面を覆い、空気に触れないよう指で押さえ(右写真)、ラップで包むか保存袋に入れて冷蔵庫へ。乳清(水分)が出ていたら、ペーパータオルでこまめに拭き取りましょう。
フレッシュタイプのチーズは冷蔵庫の冷蔵室で保存します。チルド室で保存するのは、冷えすぎて食感がボソボソになるおそれがあるのでNGです。
鮮度が命のフレッシュチーズ。時間がたつほど風味は落ちるので、できるだけ早く食べましょう。少し味見をしてみて苦みや微炭酸を感じたら発酵が進んでいます。お好みの頃合いで食べきるようにしてください。
③ゴルゴンゾーラ、ロックフォール(青カビタイプ)
ゴルゴンゾーラ(写真左)や羊乳を原料とするロックフォール(写真右)は、青カビ菌を用いて作られる【青カビタイプ】。その見た目から「ブルーチーズ」とも呼ばれ、舌をピリッと刺すような風味と強い塩気、独特の香りが特徴です。
オーブンシートで包んで密閉容器に入れ、冷蔵庫のチルド室で保存しましょう。乳清(水分)が出た分だけ、ペーパータオルで拭き取ってください。
臭いが強くなり、舌を刺激するようになったら熟成が進んでいると考えてください。熟成が進んだものは、カレーやシチューなどの煮込み料理に使用していただくと良いでしょう。
④パルミジャーノ レッジャーノ(ハードタイプ)、ゴーダ(セミハードタイプ)
パルミジャーノ レッジャーノ(写真右)は【ハードタイプ】。水分量を減らして製造するのでかたい仕上がりになり、熟成期間も6カ月~3年と最長。コンテやエメンタールも同じ種類です。
ゴーダ(写真左、トリュフ入り)は熟成期間が1~8カ月と、ハードタイプよりやわらかい【セミハードタイプ】。チェダーやラクレットも同じ種類で、加熱すると溶けて糸を引くよう伸びるのが特徴。ピザやグラタンに使われます。
オーブンシートで包んでからラップで包み、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。蒸れ防止のために、3日に一度は空気に触れさせるといいでしょう。パルミジャーノ レッジャーノはほかの食材の匂いを吸収しやすいので、香りの強い食材の側には置かないこと。
カビが生えてきてもその部分を削れば大丈夫ですが、組織がもろくなったり、味にえぐみが出てきたら熟成が進んでいると考えてください。また、少しずつカットして食べる場合、違う側面を切っていくと、乾燥具合がかたよりません。
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