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玉露とは
日本で古くから親しまれている日本茶の一種、「玉露(ぎょくろ)」。玉露は日本茶の最高峰と言われているだけあり、お茶屋さんに行っても少しだけ他のお茶より値段が高いですよね。その豊かな香りは疲れたからだと心をふっと解きほぐしてくれます。
「玉露」という名前は、製茶業者として有名なかの山本山の商品名に由来しています。その歴史は実に古く、天保6年(1835年)にまでさかのぼります。
当時の山本山の六代山本嘉兵衛(徳翁)が、茶葉を露のように丸く焙り、これが玉露の原型となったといわれています。現在は棒状に焙った玉露が一般的ですが、これは明治初期に同じく製茶業者である辻利右衛門(辻利)によって完成された形だとされています。
玉露は緑茶の一種
香り高く気品のある玉露ですが、ご存知の通り、緑茶の一種です。
そもそも、緑茶とは摘み取った直後の、まだ発酵させていない日本茶全般のことを指しています。これがそれぞれ異なる発酵過程を経て「玉露」「煎茶」「白折」「ほうじ茶」「番茶」などと呼ばれるようになるのですが、もともとはすべて同じ茶葉からできており、いずれも緑茶の一種なのです。
緑茶という大きなカテゴリーの中に、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶などが存在していると思っていただくと分かりやすいかもしれません。
そんな緑茶のなかでも、ひときわ高級感がある玉露ですが、どのような特徴があるのでしょうか。また、どういったところが他のお茶と違うのでしょうか。
玉露と他のお茶の違い
玉露
玉露は新芽が出始めたら日光を遮って育てます。その遮光率(日光を遮る度合い)も明確に決められており、最初は70%前後からはじめ、茶摘み前には90%以上の遮光率で育てます。ほとんど日光のない環境下で育てるのですね。
このようにして育てることで、甘みとコクのある味わいが出てきます。遮光栽培独特の香りが感じられるのが、他のお茶との最大の違いです。
日本茶のなかでも最高級ランクに位置付けられる「玉露」ですが、希少価値が高いため生産量も他のお茶に比べると少なく、全国で約270トン、日本人1人あたりに換算するとたった2g程度しか生産されていないようです。
ただし、玉露にはカフェインが多く含まれており、その含有量はコーヒーよりも多い100g中120mg。まったくダメというわけではありませんが、念のため妊娠中の女性は避けた方がよさそうですね。
煎茶
緑茶のなかで、最も一般的な製法で作られるのが「煎茶」です。
煎茶の特徴は、お茶の新芽が出てから摘み取りまで、ずっと日光を浴びせて育てていきます。太陽の光をたっぷりと浴びることで、お茶本来のほど良い渋みと爽やかな香り、そしてすっきりとした味わいが特徴です。
日本のお茶の流通量の80%以上を占めており、一番よく愛飲されていれる一般的な「お茶」です。
このうち、「深蒸し煎茶」は、一般的な煎茶よりも蒸す工程を煎茶2~3倍長くしたお茶のことをいいます。長く蒸すことで渋みが抑えられ、甘みが増しますが、新鮮な爽快感や香りは煎茶より少なくなってしまいます。
お茶の渋みが苦手でまろやかさを求める人は深蒸し煎茶を、香りや苦みも楽しみたいという人は一般的な煎茶が良いでしょう。
白折
あまり聞きなれない「白折(しらおれ)」ですが、「雁ヶ音茶(かりがね)」といえば聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
一般的に、煎茶を作る工程で「出物」と呼ばれる副産物が生じます。その副産物の代表が
「棒茶」と「粉茶」なのですが、このうち「棒茶」とは「茎茶」とも言われ、煎茶や玉露などの仕上げ工程で出てくる、お茶の茎の部分を集めたもののことをいいます。
この「棒茶」の一種を「白折」と言い、比較的リーズナブルながらも香ばしさやお茶本来の苦みが感じられるとして人気を集めています。
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