目次
小見出しも全て表示
閉じる
妊娠はゴールではなくスタート
私たちの身体は食べたものから作られています。また、妊娠とはゴールではなく、あくまでスタートです。妊娠継続、出産、授乳と、体調管理の必要な時期は続いていきます。妊活は、食事を根本的に見つめなおす良いきっかけでもあるんです。
薬膳では、「人間は本来健康なものであり、無意識に健康に戻ろうとする」と考えます。自然治癒力(人間が本来持つ病気をよくしようとする力)をイメージしていたければ分かりやすいかと思います。健康に「なる」のではなく、健康に「戻る」のですね。 そして、健康な状態であれば、妊娠に至りやすくなります。そのため妊活において、元気よく健康な身体に整えていくことがとても大切なんです。
食事や生活習慣で体のバランスが崩れる
しかしながら、残念なことに私たちの身体は、食事内容や生活環境、習慣などで少しずつバランスを崩していきます。元々健康的でバランスのとれた身体のはずが、徐々にズレていってしまうんです。
例えて言うと、まっすぐに積み木を積み上げていたつもりが、少しづつ凸凹ができて、傾いてしまっている状態。「体質に合った食材を摂る」ということの意味は、出っ張っているところをへこませ、へこんでいるところを出っ張らせて、まっすぐに補正するための食生活、ということです。
ですから、まず最初に、自分について知ることが重要になります。「自分には何が足りないのか?」「何が邪魔しているのか?」……その過不足に合わせて食事を摂ることこそ、薬膳の真意です。では、今の自分は一体、どんな体質なのでしょうか。
血流を高め、血を増やす黒豆
子宝薬膳では体質を大きく2つに分け、さらにそこから細かく6つの体質に分類します。
私たちの身体で最も大切なのは、気(き)、血(けつ)、水(すい)の3つです。気はエネルギー、血は血液と栄養成分を合わせたようなもの、水は体液を指します。体質を分ける時には、この気・血・水が不足している状態なのか、それとも、これらの巡りが悪い状態なのか、を判断の基準にします。
気・血・水が不足している体質
不足グループは、気が足りていなければ気虚(ききょ)体質、血が足りていなければ血虚(けっきょ)体質、水が足りていなければ陰虚(いんきょ)体質と呼びます。
気・血・水の巡りが悪い体質
巡りの悪いグループは、気が巡っていなければ気滞(きたい)体質、血が巡っていなければオ血(おけつ)体質、水が巡っていなければ痰湿(たんしつ)体質と呼びます。
この6つが子宝薬膳における体質の分類です。そして今回は、妊活女性によく見られる、オ血体質を取り上げます。具体的にいうと、下記のような症状がある方を指します。
オ血体質に見られる症状
・ズキズキ刺すような生理痛がある
・生理にレバーのような塊が混じる (米粒大のものから手のひらサイズまで大きさは人それぞれ)
・経血の色が暗め(手を切ってしまったた時の鮮血の色と比べて暗めかどうか)
・目の下にクマができやすい
・生理の量が多く、夜中にナプキンから漏れ出てしまうことがある
該当するところはありましたか?誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、生理痛はあって当然のものではなく、本来、ないもの。血の巡りが悪いと、ズキズキと痛むようになるんです。
上記の症状に当てはまる方は、血の巡りをよくする必要があります。そうすれば体調が自然とよくなっていくんです。血を巡らす食材の中でも、特に私がお勧めしているのは、黒豆。とくに黒豆茶であれば、手軽に効率よく黒豆を摂取できます。
- 1
- 2
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。