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コーヒーの作られ方、知っていますか?
吉祥寺の自家焙煎コーヒーショップ「ライトアップコーヒー(LIGHT UP COFFEE)」の相原民人です。この連載では、コーヒーについての豆知識やおいしく飲むためのテクニックをご紹介します。全回読み終える頃には、今よりもっと深くコーヒーを楽しめるようになっているはずですよ。
コーヒーは、とても身近な飲み物だと思います。誰でも一度は飲んだことがあると思いますし、どんな味かと問われればだいたい答えられると思います。しかし、「どうやって作られているのか?」と問われると、答えられない人が多いのではないでしょうか。
「コーヒービギナーのための入門講座」第1回目は、知っているようで意外と知らない、コーヒーの基礎知識をお教えします。コーヒーについての知識を深めて、コーヒーをもっと楽しみましょう!
コーヒーは“フルーツ”なんです
スーパーやコンビニなどで手軽に購入できる缶コーヒーやインスタントコーヒー。私たちの手元へ届く時には、すでに液体や粉末状に加工されていますが、コーヒーがどのように作られているかご存知ですか?コーヒーはもともと、農作物なんですよ。
コーヒー豆の正体は「フルーツの種」!
焙煎されたコーヒーの苦味からは想像するのが難しいかもしれませんが、コーヒーはもともと果実なんです。さくらんぼに似ていることから「コーヒーチェリー」と呼ばれています。このチェリーの中には種が2つ入っているのですが、この種を焙煎すると、よく見慣れているコーヒー豆になります。
コーヒー豆をひいて粉状にし、お湯をかけて成分を抽出して初めて、私たちが普段飲んでいる液体のコーヒーが完成します。コーヒーをひいて粉状にする「ミル」という器具や、粉状のコーヒーにお湯をかけて成分を抽出する「ドリップ」という作業など、みなさんもきいたことがありますよね。
コーヒーの苦味の正体は?
「苦味」というのは焙煎の過程でコーヒー豆を焦がすことで生まれます。焦がさなければ苦みは少なく、コーヒーの果実そのもののテイストを感じることができるのです。
焙煎はたまねぎを炒めるのと近く、焼けば焼くほど甘くなります。豆にあった適切な焙煎度を見極めるのがロースターの仕事です。
質の高い「スペシャルティコーヒー」の登場!
ここ数年、品質を重視して作られるコーヒーが認められるようになりました。完熟したコーヒーの実だけを手摘みで丁寧に収穫し、欠点豆(過熟、未熟、虫食いなどの欠点があるコーヒーチェリーのことです)が入らないよう徹底的に品質管理されたコーヒーは、焦がさず丁寧に焙煎することで果実由来の風味を豊かに感じることができます。
ひと昔前までは、コーヒーの味を評価するという考え自体がなく、カフェイン摂取剤としての扱いが主でした。世の中の流れが大量生産大量消費から、質のいいものを大切にする傾向、ライフスタイルを大切にする傾向になるにつれ、コーヒーも味を評価して値段をつけるという「フェアトレード」の流れに少しずつ変わりつつあります。
このように、コーヒー農園と良好な関係を保ち、質に対して適正な対価を払って買い付けた品質の高いコーヒーのことを「スペシャルティコーヒー」といいます。ここ数年でじわじわと話題になってきていますが、まだまだ知る人ぞ知る存在といえるでしょう。この先みなさんがコーヒーを飲む際の選択肢に、是非入れていただければと思います。コーヒーの概念を覆す力のあるコーヒーだと思います。
産地ごとの個性豊かな味わいを楽しもう
テロワールという言葉があリます。その土地から感じられる農作物の風味特性を指す言葉で、主にワインに使われますが、コーヒーにも用いられます。ワインはブドウを原材料としますが、産地や品種、作り手によって大きく味が異なります。コーヒーも全く同じです。
コーヒーの味はよくフルーツに例えられます。グレープ、アップル、オレンジなど、「フルーツ」一つ一ひとつはそれぞれ大きく味が違いますよね?コーヒーも、産地や品種、農園や収穫された年によって、個性に幅があるんです。
一見同じように見えるコーヒーでも、レモンのように爽やかな香りや、イチゴのようにほのかな甘ずっぱさなど、産地による個性豊かな味わいがあるんですよ。コーヒースタンドめぐりなどをして、お気に入りの産地を見つけるのもコーヒーの楽しみ方のひとつです。
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