ライター : tep

コリアンダーシードとは?

「コリアンダー」と「パクチー」は同じ植物で、前者が英語、後者がタイ語です。もともと日本では、英語圏から入ってきた料理に乾燥したコリアンダーの種子や葉が使われており、「コリアンダー」という名称が最初に定着しました。 それからタイ料理を食べる機会が日本でも増え、タイ料理の食材として呼ぶときや、生の状態で食べる際に「パクチー」の名称を使っています。

葉よりも使いやすいコリアンダーシード

コリアンダーは、葉と種子の両方がスパイスとして使われます。葉の部分はタイに限らず、東南アジアや南米でよく利用され、独特の香味で好き嫌いが分かれます。 それに対して、種子はほのかに柑橘系の香りを持ち、甘みも有しています。穏やかな香味なので、使いやすいスパイスといえるでしょう。

コリアンダーの歴史

コリアンダーは、数千年前から利用されてきた最古のハーブのひとつでもあります。紀元前3500年頃のメソポタミアの楔状文字板(くさびがたもじばん)や、紀元前1552年のテーベ(古代エジプトの古代都市の遺跡)の医薬書にも記述されているとか。 昨今、パクチーが大人気で、パクチー専門のカフェなどもたくさんオープンしていますよね。とはいえ種子のほうは、パクチーと比べれば今はそれほど注目されていません。この記事では効能を中心に、すぐれたスパイスであるコリアンダーシードについてご紹介します。

コリアンダーシードの効能

コリアンダーシードは、主にハーブティーとして使われます。葉の部分と違ってクセが少なく、柑橘系の香味がさわやかで万人受けしやすいため、パクチーが苦手な人でも気軽に利用しやすい点が特徴です。では具体的に、どのような効能があるのでしょうか。

健胃・整腸作用

コリアンダーシードに期待される一番の効能は、「健胃」と「整腸」です。胃痛や胃もたれ、便秘や下痢など、胃腸のトラブルを緩和させるハーブとして古くから活用されてきました。(※1) 食べ過ぎてしまったとき、脂っこいものを食べたときなど、胃のもたれやムカムカを感じたときに飲むのがおすすめ。「消化不良の家庭薬」として、ぜひ日頃から常備しておきたいハーブといえますね。

デトックス作用

「駆風剤(くふうざい)」としての作用が期待できることも、コリアンダーシードの特徴です。駆風剤とは、腸管内に溜まったガスを排出させる作用のある薬剤のこと。 コリアンダーシードはハーブティーとして駆風剤の役割を古くから担っており、お腹が張りやすい人におすすめです。また、便秘対策にも役立てられています。そうした作用によって体内の老廃物が排出されるため、デトックスの効能も期待できるんです。(※1)
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