ライター : tep

すべてのベースはブイヨン

ブイヨン、コンソメ、フォンドボー……どれもフランス料理で使われる用語ですが、改めて説明しようとすると、意外と違いがわからないという人は少なくないかもしれません。 自宅で調理する際にも、お店で料理の解説を受ける際にも、きちんと違いを把握しておけば大いに役立つこと請け合い。 一つひとつの特徴について、詳しくご紹介します。

ブイヨン

フレンチのベースとなるダシのひとつです。お肉や魚介類といった動物性の食材と、野菜などにじっくりと火を入れて仕上げられます。 ポトフというフレンチのメニューがありますが、これはブイヨンの材料と汁を同時に味わう家庭料理のこと。このポトフから汁だけ取り除いて、ダシとしてさまざまな料理に使われるものがブイヨンです。 固形調味料も販売されていますが、実際に一から作る場合は大量の材料を必要とする贅沢なダシとして知られています。

水の硬度で味が変わる?

基本的に、日本の水はマグネシウムやカルシウムの含有量が少ない軟水、ヨーロッパの水は逆にマグネシウムやカルシウムの含有量が多い硬水です。 出汁をとる際、この水の硬度が影響するとされています。和風出汁であれば軟水、ブイヨンであれば硬水が向いていると言われています。 もしブイヨンを一から作る際は、硬水を利用するとなお美味しく仕上がるはずです。

コンソメ

ブイヨンと混同されがちですが、フレンチにおいてコンソメはスープの一種を指します。正確に言えば、ブイヨンをベースに、脂肪分の少ない肉や野菜を煮て作るスープのこと。澄んだ琥珀色や淡い黄色が特徴です。

材料によって名称が変わる

「コンソメ・ドゥ・ブフ」(牛のコンソメ)、「コンソメ・ドゥ・ボライユ」(鶏のコンソメ)、「コンソメ・ドゥ・ポワソン」(魚のコンソメ)など、同じコンソメスープでも使用する材料によって名称が変わります。 どの場合も、ゼラチン質が多い腱や軟骨などの部位を必ず用いて、風味を向上させます。また、お店で作られるコンソメスープはきちんとした手順を踏み、「アクを丁寧にすくい取る」、「濾した後に脂分も取り除く」などして、濃密な味わいとスッキリした風味を両立させた仕上がりになります。

フォンドボー

ブイヨンと並び、フランス料理の基本的なダシ「フォン」の一種で、「子牛のフォン」を意味します。フォンは「茶色のフォン(フォン・ブリュン)」と「白色系のフォン(フォン・ブラン)」に分けられますが、フォンドボーは茶色のフォンに分類されます。 フォンドボーに限らず、フォン全般とブイヨンの最も異なる点は、ブイヨンが「スープ」のベースになるダシに対して、フォンは主にフレンチの要とも言える「ソース」のダシに使われる点でしょう。
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