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宮崎発!まだ知られていない魅力ある食材を全国へ

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宮崎県は「日本のひなた」と言われるほど、全国のなかでも日照時間が長く、年間を通して多くの農産物が生産されています。宮崎県の豊かな自然によって育まれた農産物の、新たな価値を見つけ、新しいビジネスを創っていく取り組みが「みやざきLFP(ローカルフードプロジェクト)」。今年で4年目を迎えたこの取り組みの様子を、macaroni編集部員が取材しました。

後編のこの記事では、無農薬栽培のバナナの葉を使ったドリンク「NEXT GREEN JUICE」と、まだあまり知られていない食材を県外のシェフに伝える「産地ツアーとお茶漬けの開発」について、ご紹介します。
▼前編はこちら

栄養豊富なバナナの葉で作った「NEXT GREEN JUICE」

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次に紹介するのは、宮崎県産バナナの葉から作られた次世代の青汁「NEXT GREEN JUICE」です。タンパク質や食物繊維などの栄養素を豊富に含みながらも、今まで活用には至っていなかった「バナナの葉」を使った商品について、ネクストファーム株式会社の黒木俊雄さんにお話を伺いました。

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黒木さん:私たちは、先祖代々の土地で国内でも珍しいバナナの無農薬栽培をしています。バナナの株は1年で2〜3mの高さに、葉は1.5〜2mほどの長さに成長しますが、一度収穫を終えた株はもう実をつけないので、幹ごとカットせざるを得ません。

そのため、以前から毎年大量に出るバナナの葉をうまく活用できないかと社内で話すことがあり、今回このLFPを活用して商品化にチャレンジしました。

ベトナム人の農業実習生が「バナナの葉を料理に使いたい」と訪ねてきたことも、活用を検討するきっかけのひとつでしたね。

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黒木さん:商品開発にあたり、宮崎大学に栄養素に関するアドバイスをいただき、葉の乾燥や粉末化、味の調合については、県内の複数の企業さんにご協力いただききました。

この「NEXT GREEN JUICE」は苦いと思われがちですが、実際に飲んだ方にはよく「思ったより飲みやすい」といっていただきます。水に溶かして素材の味を楽しむのはもちろん、豆乳や牛乳、ヨーグルトなどとも相性抜群なので、ぜひお試しください!

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タンパク質や食物繊維がとれるだけでなく、無農薬栽培の原料から作られているのは嬉しいポイント。今後は、宮崎をはじめとする九州各地のバナナ葉の活用を促進するため、PRを継続的に行っていきたい!とのことでした。

商品情報

商品名:NEXT GREEN JUICE
販売者:ネクストファーム株式会社
販売場所:宮崎県内ならびに大都市の百貨店などを予定
※2025年2月発売に向け準備中
▼生産者が語る「NEXT GREEN JUICE」の紹介動画はこちら

未利用食材に新たな価値を!産地ツアーとお茶漬けの開発

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産地ツアーで紹介している食材の一例
最後に紹介するのは、宮崎の未利用食材をシェフに紹介する「産地ツアー」や、規格外としてうまく流通させることができない食材を使ったお茶漬け「みやざき茶漬け海幸山幸」を開発しているプロジェクトです。

宮崎の未利用食材の新たな価値を見出し全国に広めるこの取り組みについて、宮崎ローカルフード協議会の畠山健さんにお話を伺いました。

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畠山さん:宮崎には、地元でしか知られていない食材や、価値が見出されていない食材が数多くあります。このプロジェクトでは、全国のホテルやレストランと連携し、使う側目線で食材の価値や規格を再定義することで、廃棄を減らし食材全体の価値の底上げ・未利用資源の高付加価値化を目指しています。

これまでに複数回実施した「産地ツアー」では、都内のホテルシェフの方を産地に招待して、実際の食材を見て試食してもらう機会を作りました。というのも、多くの農作物は市場の流通に合わせてA品・B品などのランク付けがされていますが、食材の中には既存規格に合わせることが難しく、県外出荷がしづらいものも存在します。

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フィンガーライム。品種によって果皮や果肉の色が異なり、味や香りもさまざま。
畠山さん:例えば、丸山農園で生産されている「フィンガーライム」。不思議な見た目の柑橘ですが、独特の酸味や苦味、香りが楽しめます。ただし生産量が少なく、色や形がバラバラなため、市場に出荷することが難しいんです。

また農産物のなかには、「見た目の都合でB品となるけれど、生産方法にこだわっており、味がとても優れている」いうものも多くあります。A品かB品かの定義を産地ではなく、使うシェフがすることで、それぞれのお店との間で適正価格が形成されていくことが可能です。この産地ツアーの実施を通じて、A品B品の枠にとらわれない形で需要と供給がマッチしていくプロセスが生まれました。

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お茶漬け「みやざき茶漬け海幸山幸」の宮崎牛。ほうじ茶をかけて食べるのがおすすめ。
畠山さん:また、お茶漬け「みやざき茶漬け海幸山幸」は、これまで流通になじまなかったB品カラスミや割れた乾燥シイタケなどを積極的に活用しています。“常温で持ち運べる宮崎のお土産品”として、宮崎の食材を知ってもらうきっかけになってほしいと考え、「宮崎牛」・「地鶏」・「カラスミ」の3種類の開発を進めています。

過去に実施した産地ツアーでは、実際にシェフの方から「面白い」「ぜひ使いたい」との声を多数いただいたそうです。紹介する食材や産地の範囲をより広げたことで通年実施が可能になったため、さらにツアーの受け入れを増やしていきたい!とお話されていました。

商品詳細

商品名:みやざき茶漬け「海幸山幸」
販売者:宮崎ローカルフード協議会
販売場所:未定
※2025年3月発売に向け準備中
▼「産地ツアー」や「みやざき茶漬け海幸山幸」の紹介動画はこちら

宮崎のおいしさが詰まった逸品を楽しもう!

後編では、栄養豊富なバナナの葉で作った「NEXT GREEN JUICE」、未利用食材を知る産地ツアーと「みやざき茶漬け海幸山幸」についてご紹介しました。前編に引き続き、食材の新たな価値を見出して生まれた商品やサービスには、生産者の方々の熱い想いが込められていました。

この機会に、宮崎の味をぜひ食卓でも楽しんでみてはいかがでしょうか。

ローカルフードプロジェクト(LFP)とは?

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ローカルフードプロジェクトとは、農林水産省が提唱する「地域の農林水産物などを使った新しいビジネスの創出」を目的としたプロジェクト。 宮崎県では、農林漁業者の方々が異業種の方々と力を合わせ、未来に向けた「宮崎発」の新しいフードビジネス(商品・サービス開発)に挑戦しています。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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