ライター : shoko

管理栄養士 / パティシエ

黒砂糖は本当に危険なの?

黒砂糖は上白糖やグラニュー糖のように純度が高いものよりも、ミネラルやビタミンが豊富で、もともとは薬として使われていたと考えられています。

危険とされる情報もありますが、砂糖全般を指すものや、細菌汚染によるものなど、黒砂糖そのものが危険であるとは言い切れないものが多いようです。(※1)

黒砂糖が危険と言われてしまう理由は?

黒砂糖が危険と言われる原因

  1. 乳児ボツリヌス症のリスクがあると言われるため
  2. 糖質の摂り過ぎになるため
  3. カロリーの摂り過ぎになるため

乳児ボツリヌス症のリスクがあると言われるため

黒砂糖が危険と言われる理由のひとつが乳児ボツリヌス症の原因となるおそれがあるためです。

乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児が、ボツリヌス菌を口から摂取した場合に起こる場合があります。ボツリヌス菌は土壌をはじめとして広く存在する細菌です。はちみつのように加熱処理をおこなわない食品を介して体内に入ります。

加熱処理が不十分な場合は、黒砂糖も乳児ボツリヌス症の原因となるとされます。しかし、それ以外の食品が原因となることが多いため、黒砂糖だけが特に危険とは言いづらいでしょう。(※2,3)

糖質の摂り過ぎになるため

黒砂糖は100g中約90gが糖質です。糖質はエネルギー源であるため、不足するとエネルギー不足による疲労感や集中力の低下などが見られます。一方で摂り過ぎると、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積されてしまいます。

黒砂糖が危険と言われてしまったのは、食べ過ぎた際に中性脂肪の蓄積につながるおそれがあることが原因のひとつでしょう。(※4,5)

カロリーの摂り過ぎになるため

黒砂糖が危険と言われてしまったのは、食べ過ぎた場合にカロリーの摂り過ぎが起こることも原因だと考えられます。黒砂糖のカロリーは100gあたりで352kcalです。

菓子や料理に適量使う程度では、100gを一度に摂取することはまれだと考えられます。しかし極端な量を食べ過ぎた場合は、糖質の摂り過ぎになるのと同様、カロリーの摂り過ぎに繋がります。黒糖をおやつ代わりにそのまま食べるような場合は、食べる量に十分注意しましょう。(※4)

黒砂糖が危険なら白砂糖は?種類による違い

製造方法の違い

黒砂糖と白砂糖は同じサトウキビから作られますが、製造方法が途中から異なります。サトウキビのしぼり汁をそのまま煮詰めたものが黒砂糖、そこから糖質以外の成分を取りのぞいて精製したものが白砂糖です。

いずれも抽出したシロップを濃縮させる工程で100℃以上に加熱されてはいるものの、ボツリヌス菌の芽胞は120℃で4分加熱しなければ死にません。混入してしまうリスクが同じであれば、乳児ボツリヌス症対策の加熱としては、黒砂糖でも白砂糖でもあまり変わらないと言えるでしょう。(※2,6,7,8)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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