ライター : donguri

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とうもろこしは漢字でどう書くの?

とうもろこしは漢字で「玉蜀黍」と書きます。

「玉」は訓読みで“たま”、音読みで“ぎょく”なので「とう」と読むことは珍しいですし、「蜀」や「黍」という漢字は普段見かけませんよね。しかしとうもろこしの語源を知ると、なぜ玉蜀黍と書くのかに納得できるはずですよ♪

この記事ではとうもろこしの由来や歴史、そのほかの呼び名など詳しくご紹介します。

「玉蜀黍(とうもろこし)」の語源・由来

とうもろこしは、今から5,500〜7,500年前にメキシコ、ボリビアなどの中南米付近で栽培がはじまったとされています。日本へは1579年(安土桃山時代)にポルトガル人によって伝えられたのが起源です。

当時「唐(とう)」という漢字は中国や外国からきたものを表していました。また日本にはもともと中国より伝わった「もろこし」という作物があり、とうもろこしがその作物に似ていたことから「唐蜀黍(=外国からきたもろこし)」という漢字が使われるようになったといわれています。(※1)

「唐」が「玉」に変わった理由

「唐」が「玉」に変わった理由には以下のような説があります。

・とうもろこしの粒がきれいで美しく並んでいることから、宝石を表す「玉」の字が使われるようになった
・もろこしは漢字で「唐黍」とも書き、その場合「唐唐黍」となってしまうため、唐の代わりに「玉」を使うようになった
・もろこしの別名に「玉黍(たまきび)」があり、外国を表す「蜀」を合わせて「玉蜀黍」と書くようになった

現在は北海道をメインに日本でもたくさん栽培されているため、“外国の野菜” というイメージはほとんどありませんが、当時は船でやってきた宝石(玉)のような美しい作物という印象が強かったのかもしれませんね♪

とうもろこしは「南蛮黍」や「唐黍」とも呼ばれる

じつはとうもろこしはいろいろな呼び名があり、その数は200以上ともいわれます。中でも代表的なのが「南蛮黍(なんばんきび)」と「唐黍(とうきび)」。このふたつの語源も見てみましょう。

南蛮黍の語源

前述したように、とうもろこしはポルトガル人によって日本に伝えられました。当時ポルトガル人やスペイン人を「南蛮人」と呼んでいたため、南蛮黍という名前に。ちなみに「黍(きび)」はイネ科の植物を意味していますよ。

南蛮黍は近畿地方でよく用いられている呼び名。黍が省略され「南蛮(なんばん)」と呼ばれることもあります。

唐黍の語源

「唐黍」は「唐=(外国からきた)」「黍=(イネ科の植物)」という意味に由来しています。

「とうきび」は北海道でよく使われている呼び名で、場所によっては「とうきみ」や「きび」「きみ」などの言い方をするケースも。札幌の大通公園には、焼きとうもろこしを屋台で販売する「とうきびワゴン」というものもあるんですよ。
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