ライター : 佐々木 梓

管理栄養士

ビタミンKが豊富に含まれている食品

・モロヘイヤ(1束)……640μg
・糸引き納豆(1パック)……300μg
・かぶの葉(1個分)……272μg
・パセリ(1枝)……128μg
・ほうれん草(1株)……54μg
・大葉(10枚)……48μg
・ほしひじき(大さじ1)……12μg

ビタミンKは海藻類のほか、葉が濃い緑色の青菜野菜に多く含まれています。また、菌によって作られる栄養素でもあるため、発酵食品の納豆にも豊富です。血液の凝固や、丈夫な骨づくりに関与する重要な栄養素ですよ。(※1)

ビタミンKの一日あたりの摂取量

ビタミンKは、18歳以上の成人で一日あたり150μgが目安の摂取量とされています。妊娠・授乳されている方も同じ量が目安です。例えば、納豆を1パック食べれば、一日に必要な量のビタミンKを十分摂ることができます。日本人は、平均的に目安の量以上摂れていることがわかっていますよ。

一方で、加齢により消化液の分泌量が減ってしまい、ビタミンKが吸収されにくくなることがあります。高齢者では欠乏のおそれがあるため、注意が必要です。(※1,2)

ビタミンKを摂り入れるうえでの注意点

ビタミンKは現在、大量に摂ることで起きた健康被害は報告されていません。しかし脂溶性ビタミンのため、尿によって短期間で排出される水溶性ビタミンと違い、体の中に蓄積されやすい特徴があります。健康食品やサプリメントで摂取する場合は、容量を守るようにしましょう。

また、ビタミンKが多い食材ばかり意識して食事をしていると、栄養が偏ってしまうおそれもあります。主食・主菜・副菜をバランスよく摂り入れるよう心がけましょう。(※2,3,4)

ビタミンKは食べ物以外に腸内でも作られる

ビタミンKは、体内でも作られる栄養素です。ビタミンKにはK1・K2の2種類があり、体内で作られるのはビタミンK2。ビタミンK2は微生物により生み出されます。発酵食品である納豆やチーズに含まれ、腸内細菌により体内でも作られるのです。

しかし、体内で作られる量のみでは、必要量を満たすことができません。腸内で作られているからといって食事をおろそかにせず、きちんと摂取することが必要です。(※2,5)

ビタミンKを効率よく摂り入れる方法

ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。ドレッシングやソースに油を使う料理や、油を使う炒め物などの調理方法がおすすめです。

またビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させるために必要となる栄養素で、カルシウムが体外に排泄されるのを抑えるはたらきもあります。乳製品や小魚、大豆製品など、カルシウムが豊富な食材と栄養面で相性抜群です。(※1,6)

ワーファリンを服用している人はビタミンKに注意

ワーファリンは、血液のかたまりである血栓をできにくくする薬です。それに対して、ビタミンKは血液凝固に関わっており、相反する作用があります。 そのため、ワーファリンを服用している方がビタミンKを多く含む食品を食べると、ワーファリンの作用に対抗してしまい、薬の作用が弱まってしまします。

特に、納豆・クロレラを食べることは禁止されています。また、そのほかビタミンKを多く含む食品も要注意。 しかしビタミンKを避けるために偏った食生活になると、体に必要なそのほかの栄養が不足してしまうおそれもあります。ワーファリンを服用中の方は、医師と相談し、適切な量を摂取するようにしましょう。(※7)
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