ライター : 嶋田コータロー

お土産マイスター

元祖長崎カステラ!1681年創業「松翁軒のカステラ」

Photo by 松翁軒

長崎の名物として真っ先に思い浮かぶのが「カステラ」。長崎旅行のお土産に買ったり、もらったりしたことがあるかもしれませんね。

長崎県内では数多くのお菓子屋さんがカステラを製造しており、そのこだわりはお店によってさまざまです。この記事では、1681年創業の老舗「松翁軒(しょうおうけん)」のカステラ3種類をピックアップ。代表取締役社長である山口喜三さんのお話を交えて紹介していますよ。

長崎のおいしいカステラを探している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

異国情緒が漂う、松翁軒「かわいいカステラ」を紹介

Photo by 松翁軒

長崎カステラのなかでも、とりわけ古い歴史をもつ松翁軒のカステラ。江戸時代から昭和30年代前半までは、炭火を使う引き釜で作られていたんですよ。電気オーブンで作られるようになった現代でも、カステラ作りの伝統は受け継がれています。職人さんが、ひとりひとつの窯を受け持ち、一枚ずつ手焼きしているんです。

330年以上の歴史がある松翁軒のカステラは、長崎県民のみならず、全国のファンや観光客からも愛されています。ここでは、異国情緒が漂うパッケージに入った、小さめサイズの「かわいいカステラ」を紹介しましょう。

「かわいいカステラ」には3種類、定番の「カステラ」、チョコ味の「チョコラーテ」、抹茶味の「抹茶カステラ」があります。

おしゃれなパッケージですね。何をモチーフにしているのでしょうか?

Photo by 嶋田コータロー

カステラ・チョコラーテ・抹茶カステラ 0.3号・3本入 1,782円(税込)
山口さん(以下、山口):カステラ、チョコラーテのパッケージは、人物の模写をデザインしています。カステラはプラド美術館展のポスターになったベラスクス作「王太子バルタカールカルロス騎馬像」、チョコラーテは「イザベル女王(アメリカ大陸を発見したコロンブスを支援した女王)」なんですよ。

抹茶カステラのパッケージは、歴史を感じていただくための「古地図」に、抹茶をイメージできるような色合いをデザインしています。

Photo by 嶋田コータロー

プチギフトにぴったりの小箱サイズ。南蛮由来であるカステラの雰囲気に合ったデザインで、お土産に重宝しそうですね。筆者の家族も「異国の雰囲気だけじゃなくて、かわいさもあるからお土産にしたくなる♪」と話していましたよ。

1. しっとりふんわり食感の「カステラ」

Photo by 嶋田コータロー

カステラ 0.3号 594円(税込)
原材料に卵・上白糖・ザラメ・小麦粉・水飴を使う、伝統のカステラ。カステラ作りに欠かせないのが小麦粉ですが、松翁軒ではカステラ専用粉が使われています。

松翁軒のカステラの特徴を教えてください。

山口:しっとりふんわり甘やかな、もちもちした食感ですね。これは、熟練した職人による生地作りと、焼き上げの見極めによります。まんべんなくおこなう泡きり(生地の中の大きい気泡をなくし、きめ細かくする工程)の手際も重要です。材料の計量、生地作り、焼成までを、ひとりの職人が付ききりで、すべて手作業でおこないます。

Photo by 嶋田コータロー

実際に食べてみると、カステラの軽やかな味わいに驚かされます。カステラ独特の香りが強すぎず、あと味がとてもよいです。しっとり、かつやわらかい食感がなんともいえません!

2. 明治時代に誕生した「チョコラーテ」

Photo by 嶋田コータロー

チョコラーテ 0.3号 594円(税込)
松翁軒の看板商品といえる「チョコラーテ」。いまでこそチョコレート味のカステラは珍しくありませんが、松翁軒のチョコラーテが生まれたのは、なんと明治時代なんですよ。

明治時代に、8代目がチョコレートを加えたカステラ作りを考案。当時はお得意様の注文品として販売されていました。見本を持ってお客さんを伺い、注文をもらう御用聞きだったそうです。戦中は販売が休止し、戦後の昭和40年代に「チョコラーテ」として復活しました。
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