ライター : 前田未希

料理家 / フードコーディネーター

衣も油も「温度」が重要!

日本の代表的な料理でもある「天ぷら」。海老天にさつま天、鶏天にかき揚げとさまざまな種類の天ぷらがあります。あらゆる食材をおいしく変身させる調理法ですよね。 蕎麦にのせるのはもちろん、丼にしてもおいしいですし、お酒のおつまみにもよく合いますよね。日本酒との相性もたまりません。今の時期はきびなごなどの小魚をカラッと揚げるのも◎ そんな天ぷらの醍醐味は、なんといっても、揚げたてのサクッとした衣ですよね。でも、張り切って揚げたのに、なんだかベチャッとした仕上がりになってしまう……なんてことありませんか? それは普段、よかれと思ってやっている工程が間違っているかもしれません!ここでは、天ぷらをおいしく揚げる基本のコツをお伝えします!衣を作るところから、揚げるときのポイントまで一つ一つをチェックしていきましょう。

基本の『天ぷら』の作り方

分量(4人分の揚げ衣)

A 薄力粉 200g A 片栗粉 大さじ2 A 塩 ひとつまみ A 氷水 水200ccに、氷を300ccの目盛りまで加える 揚げ油 適量

作り方

①衣には「氷水」を使用する
天ぷらの衣は、グルテンが発生するとカラッと揚がりません。グルテンは、低温で混ぜることによって発生しづらくなるので、冷水・氷水を使用しましょう。 水では徐々にぬるくなってしまうので、必ず氷水を使用し、揚げる際に火元の近くに置かないようにしましょう。 水はカップ200ccまで計量後、氷を加えて目盛り300ccになるようにしましょう。夏場は氷の量を増やしても良いですよ。
②Aの材料を全てボウルに入れ、ダマが残る程度にざっくりと混ぜる。
よく混ぜたほうが良いと思って、丁寧にかき混ぜてしまっていませんか?実は、①の氷水と同じ理由で、衣をさっくり仕上げるには衣は混ぜないほうが良いんです。 粉と水を混ぜすぎると、グルテンが発生し粘りが出ます。そうすると衣がベチャッとしてしまうので、箸でざっくり3回ほど、粉のダマが残っている位がベストです。
③食材はしっかり水気を切り、上に打ち粉をする。(分量外の薄力粉をまぶす)
食材の水分をしっかり切るのも、カラッと揚げる大事なポイントです。水にさらした食材や水気の多い食材は、水気をきった後に軽くキッチンペーパーで拭き取るのが大事です。 また、食材の水気をしっかり取ることは油ハネ防止にもなります。 打ち粉をしておくことで、衣が必要以上につかず、薄く綺麗な衣に仕上がります。また、かき揚げなどは、打ち粉をすることで食材をバラバラにしにくくなります。
さつまいもやカボチャなど、火の通りにくいものは予め下茹でしておくか、薄切りにすると揚げる時に時間がかからず便利です。
魚介類は調理前に軽く塩を振ってくさみ抜きをし、水気を拭き取ってから、打ち粉をしましょう。
④食材を衣にさっとくぐらせる。
⑤揚げ油はたっぷり使用し、具は少しずつ加える。
揚げ物は、タネを加えると油の温度が下がります。なので、タネがしっかりと油に浮くくらい使用して揚げましょう。また、一気にタネを加えず、少しずつ均一な温度で揚げるのが、カラッと仕上げるようにしてくださいね。 後ほど、食材別に油の適正温度をご紹介するので、参考にしてみてくださいね。
⑥衣が固まるまでは触らず、カラッと揚がるまでゆっくりと揚げていく。厚みのあるものはひっくり返し、両面揚げ色がつくまで揚げる。
油に入れてすぐは箸でいじると衣が剥がれたり崩れるので、触らずに待ちましょう。揚げる時間も、天ぷらから勢い良く気泡が出ていれば順調に揚がっているサインなので、焦らずにじっくり揚げましょう。
特にかき揚げは入れてすぐは放置するのが成功のコツ!気になって箸でまとめようとすると、余計にばらばらになってしまうので気をつけましょう。
⑦揚げた具は、しっかりと油を切る。
これが最後のポイント!カラッと揚がったら、余分な油を落とすためにバット等でしっかりと油切りをしましょう。せっかく上手に揚げても、油切りを怠るとベチャッとして油っぽい食感になってしまうので注意。油切りをする際は、天ぷら同士が重なって油が染みないように、重ねずに並べていきましょう。
油切りをしても、揚げたては油がでます。お皿にはあぶらとり紙を敷いてから盛り付けましょう。きれいに盛り付けたら完成!

【食材別】油の適正温度ガイド

天ぷらはフライや唐揚げに比べて、衣が油を吸うので油の温度が仕上がりに大きく影響を与えます。普段フライや唐揚げを少量の油で揚げ焼きしていても、天ぷらだけは具が浮くくらいのたっぷりの油を使用して揚げましょう。少量の油で揚げると、温度が十分に上がらず油切れの悪い仕上がりになります。
それでは温度別にどのような食材が適しているのかみていきましょう。また、計らなくても大体の温度がわかるような目安もお伝えします。

低温(160~170℃)

シソの葉や山菜などの葉物。 少量の衣を油に入れると底に沈んでから、ゆっくりと気泡を出して浮かんでくる状態。

中温(170~180℃)

カボチャやさつまいも、じゃがいもなどの根菜。 衣を入れると底まで沈まず、中くらいのところから気泡を出し浮いてくる状態。
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