ライター : ☆ゴン

「筑紫もち」とはどんなお菓子?

筑紫もちとは、福岡県福岡市博多区の博多駅前に本店を置く、如水庵(じょすいあん)が製造販売している名物の和菓子です。福岡県に住んでいる人なら、誰でも一度は目にしたことがあるはず。

福岡出身の人から、小さいころから食べていたという話をよく聞きます。博多っ子はもちろんのこと、福岡市内に住んでいる人はとくに、食べたことがあるのではないでしょうか。この記事では、そんな筑紫もちについて紹介します。

筑紫もち誕生の経緯と特徴

筑紫もちは、如水庵の現会長が小さいころに祖母によく作ってもらった、きな粉餅にヒントを得て1977年に誕生しました。きな粉餅と黒蜜の小袋、楊枝がセットになった個包装の和菓子。包装紙は、白とピンクを基調とした高級感漂う色合いで、風呂敷包み風のかわいい見た目です。

3個入っているきな粉餅に、黒蜜をかけて専用の楊枝で食べますが、餅がやわらかくて、きな粉の風味が口いっぱいに広がります。黒蜜はそんなに甘ったるくなく、さっぱりとした味わいで、いくらでも食べられると評判です。

筑紫もちができるまで

筑紫もちの作り方には、ふたつの工程があります。まずは蒸練機という機械で、餅粉に蒸気を加えながら蒸す工程。蒸しが終わったら次は練り工程です。蒸しあがった餅粉を専用の釜に移して、砂糖やそのほかの材料を入れてじっくり練ります。

餅は冷めると硬くなりますが、以上のような独自の製法と配合により、硬くならないのです。続いて冷ました餅を機械で均等にカットし、きな粉をまぶしたらパック詰め。

容器にきな粉餅を3個ずつ詰める作業は、やわらかいので機械では無理です。そのため手作業でおこなわれます。そこから容器にフタをして、黒蜜入り小袋をのせ包装するまでは機械で。できあがった商品に、最後に楊枝を手作業で1本ずつ入れたら、筑紫もちが完成します。

山梨の銘菓「信玄餅」との違いは?

山梨の銘菓「桔梗信玄餅」が、筑紫もちとそっくりだと話題になっています。ネット上では、ふたつを食べ比べて検証する、放送局の記事もあるほどです。確かにどちらもきな粉餅と黒蜜、楊枝入りで、風呂敷包み風の個包装までよく似ていますね。

比較してみると、発売時期が桔梗信玄餅は1968年、筑紫もちは1977年です。風呂敷包み風の包装は、桔梗信玄餅が透明な模様入りポリ製なのに対して、筑紫もちは白とピンクの和紙風。

黒蜜の入れ物は、筑紫もちは四角い小袋で、桔梗信玄餅は小さなプラ容器で量が多いようです。きな粉も、桔梗信玄餅のほうがたくさん入っています。黒蜜の味は違いがれきぜんで、桔梗信玄餅のほうが濃くて甘く、筑紫もちはさっぱりした味わい。このあたりが好みの分かれるところですね。

筑紫もちの名店「筑紫菓匠 如水庵 博多駅前本店」

如水庵の博多駅前本店は、JR博多駅から北西へ歩いて5分ほどの、大博通りに面する和菓子店です。ビル1階の角に位置する店舗で、白い外壁と軒先の壁面に設けられた、チャンネル文字看板が目印。

2021年7月に改装、リニューアルオープンしたばかりで、白を基調としたきれいな店内が印象的です。中に入ると、筑紫もちのほかにもお店自慢の銘菓がたくさん置いてあります。

筑紫菓匠 如水庵「筑紫もち」

ITEM

筑紫菓匠 如水庵 筑紫もち

¥1,512〜

内容量:9個入り(個包装)化粧箱

※2022年12月19日時点 価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpおよびshopping.yahoo.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。
筑紫もちは、2014年のモンド・セレクションで、7年連続最高金賞を受賞しています。高級感のある包装は、お土産として誰に贈っても喜ばれるひと品。良質な大豆を使用したきな粉餅は、食べると香ばしさが口の中いっぱいに広がり、黒蜜との相性抜群です。

子どもからお年寄りまで、長く愛され続けている福岡銘菓ながら、価格がお手頃なのがうれしいところ。商品ラインアップは2個入りから45個入りまであり、通販で購入することもできます。

ちなみに筑紫もちの読み方は、正式には「つくしもち」ですが、「つくし」と「ちくし」のどちらでもOK。福岡には「筑紫野(ちくしの)」という地名があるため、地元では「ちくしもち」と呼ぶことが多いようです。
店舗情報
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