ライター : TK

監修者 : 渡辺 りほ

管理栄養士

あなたはどれ? 貧血の主な原因

鉄分の摂取不足:偏食・ダイエットなど

貧血の原因のもっとも大きな理由は、鉄分不足。鉄分は、血液中のヘモグロビンの構成成分であり、酸素を組織に運ぶたんぱく質に不可欠な成分です。鉄分が不足すると、細胞に酸素が供給されず、疲労感をはじめとした貧血症状をおぼえることがあります。

そもそも、鉄分はどれくらい摂取すればいいのでしょうか?厚生労働省が定めた、一日あたりの鉄分摂取推奨量は、女性の場合、以下の通りです。

15〜17歳……7.0mg
18〜29歳……6.0mg
30〜69歳……6.5mg
70歳以上……6.0mg
※いずれも月経なしの数値

この基準に満たない食生活を続けている場合は、鉄分不足となるおそれがあります。とくに偏食や過度なダイエットをおこなっているときには、鉄分が不足してしまいがち。慢性的な貧血に悩んでいる方は、まず日々の食生活を見直しましょう。(※1,2,3)

鉄分が大幅に減少:生理など

貧血となる原因として、鉄分不足のほかに、体内において鉄分の損失量が増えることが挙げられます。代表的なのは、月に一度訪れる月経。普段は問題ないのに、月経中に貧血の症状が現れるという方は、多いのではないでしょうか。

15〜69歳の女性において、月経がある場合の鉄分摂取推奨量は、いずれの年代でも一日あたり10.5mgです。月経がある方は、とくに普段から鉄分をしっかり摂ることが大切です。(※1,3)

鉄分の必要量が高まる:妊娠中・運動時など

体内での鉄分の必要量が増加することも、貧血の原因です。代表的なのは、自分だけではなく胎児が鉄分を必要とする、妊娠中や授乳中。また、汗とともに鉄分が失われるため、激しい運動をおこなう場合も注意が必要です。なお、妊娠中・授乳中の一日あたりの鉄分摂取推奨量は、食事摂取基準で付加量が定められています。

・妊娠初期……該当年齢の推奨量に+2.5mg
・妊娠中期・後期……該当年齢の推奨量に+15.0mg
・授乳中……該当年齢の推奨量に+2.5mg

たとえば30歳以降の妊娠中期の方では、鉄分の摂取推奨量は、一日あたり21.5mgとなります。(※1,2,3)

貧血対策のために摂りたい栄養素

鉄分

貧血対策には、やはり鉄分が欠かせません。食べ物に含まれる鉄分は、肉や魚などの動物性食品に含まれる「へム鉄」と、野菜や大豆などの植物性食品に含まれる「非へム鉄」の2種類に分類されます。

へム鉄の吸収率は非へム鉄よりも高いですが、食事から摂れる鉄分の多くは非へム鉄です。食事から鉄分を摂る際は、効率よく吸収されるヘム鉄を多く含む肉類を意識して食べるようにしましょう。(※2)

たんぱく質

肉や魚などに含まれる「動物性たんぱく質」は、非ヘム鉄の吸収率を高めるはたらきがあります。ほうれん草や小松菜などに多く含まれる、非ヘム鉄の吸収率を高めるために、動物性たんぱく質が豊富な食品と合わせて食べましょう。(※2)
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