ナット・挽肉ベジダブル

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,050円 (税込) サンボール1/2 +150円、トルカリ +50円(税込)
やはりいただきたいのは、元祖納豆カレー。ひきわり納豆は鶏ひき肉と一体となって、スープ全体に行き渡っています。オクラの効果もあり、スープ自体がトロッとした舌触りに。スープカレーとしてはかなり異質ながら、リピートしたくなるおいしさです。

さらに注目したいのが、ライスに添えたふたつのオプション。ミッシリと固められたみそ状の「サンボール」は、ココナッツと唐辛子の旨味があり、ライスと食べるも良し、スープに混ぜるも良し。

「トルカリ」はポテトサラダにスパイスを加えた仕様で、舌のリセットに役立ちます。これらを加えることで味に変化が生まれ、より楽しくいただけるのです。

スパイス入り牛乳プリン

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

100円(税込)
カレーも個性派ですが、デザートも個性派。こちらはシナモンとカルダモンがスッと香るミルクプリンです。お値段も100円だし、頼まない理由はありません。
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7. 北の大地の呪術医カレー「メディスンマン」(2001年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

チェーン展開しないため全国的な知名度は低いものの、地元のみなさんが「あそこはおすすめ」と名を挙げるスープカレー店のひとつがこちら。

店構えも内装もアーリーアメリカンな世界観。実は店名の「MEDICINEMAN(メディスンマン)」は、ネイティブアメリカンの伝統的呪術医のことなんです。

スープカレーには薬膳としての側面もありますから、なるほどなコンセプトですね。人気店ゆえランチ時には並びますが、23席と多めなので回転は意外に早いですよ。

また、姉妹店「麺処 メディスン麺」も営業中。スープカレーを麺料理にフィードバックした試みも興味深いですね。

チキンカレー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,190 円(税込) 辛さ HOT3 +150円、 岩のり +120円、ごまネギ 160円(税込)
岩のり&ごまネギトッピングで、まるでラーメンなビジュアル。けれど確かにスープカレーです。

見た目からも手の込んだ工程がうかがえるスープは、トータルバランス重視。酸味が立ったり、コッテリ感があったりということはなく、あくまで澄んだタッチのなかに、じんわりとした旨みが潜んでいます。

表面がカリッとローストされたチキンは香ばしさ抜群。中はしっとりやわらかでロティサリーチキンのごとき贅沢さです。

そして特筆すべきは、岩のり&ごまネギの効果。それぞれの旨みと香ばしさがスープに溶け出し、良い意味での「スパイス茶漬け」感を醸し出してくれるんです。これがたまらない。このトッピングは本当におすすめ、というかマストですよ。
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8. 個性派シェフによる至高のスープカレー「カリーヤ!コング」(2002年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

スープカレー超激戦区の札幌で、圧倒的支持を集める実力派。スープカレー好きで知られる大泉洋さんがイチオシしたことで、人気に火がついたようです。

イタリアン出身の店主は、北海道の食材に塩とスパイスで仕上げる、体にやさしいスープカレーを提供しています。特に肉や野菜といった具材のおいしさは圧倒的で、もはや芸術の域。

注意すべき点としては、並ぶ&待つ覚悟が必要ということ。平日でもオープン30分前の10時30分には並びができるうえ、席についてもシェフが順々に作るため20分から1時間の待ちは覚悟すべし。

ちなみにメニューは一番安いチキン野菜で1,900円、ラムステーキと野菜は2,600円という価格帯。妥協を許さないシェフによる渾身の一杯をいただくためですので、心してかかりましょう。

チキン野菜

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

20辛 1,900円(税込) ミニハンバーグ +300円(税込)
澄んだスープはインドっぽくも和風っぽくもなく、むしろ西洋料理を感じさせるテイスト。バキッとした旨味の押し出しではなく、感覚を研ぎ澄まして向き合いたい繊細さです。20辛は私にとってはピリ辛程度。あとで話したところ、マスターは辛いのが苦手らしいのです。

チキンは知床産もも肉のソテーで、香ばしさと旨みが圧倒的。皮のパリパリ感も素晴らしく、カレーの具材として間違いなくトップランクのクオリティです。

道産野菜の素材感は言うまでもなく、とりわけなすとじゃがいもは異次元。なすの内に秘めた香ばしさ、じゃがいものふくよかな香りと甘み。このスープは、食材の個性を最大限に引き出すためにデザインされていると実感できるのです。

そしてトッピングのハンバーグは、肉汁の旨味となめらかな舌触り、スープの旨味がほどよく染みて、これまた絶品。イタリアンで腕を振るった店主なだけに、洋食としてのクオリティも抜群なのです。

こりゃあ、待ってでも食べる価値がある、札幌スープカレーひとつの頂点と言えるでしょう。
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