ライター : おいしいマルシェ

お年賀の意味とは?

お年賀とは、新年のあいさつの際に持参する贈り物のことです。お世話になっている方に、「これから1年間よろしくお願いします」との気持ちを込めて、お年賀を手渡しします。

もともと元旦には、親元や本家に子どもや親族が集まって宴を開き、新年のお祝いを行う習わしがありました。これが次第に変化して、親族だけでなく、お世話になっている方々へのあいさつ回りが行われるようになるのです。

また、お年賀は、歳神様へのお供えを訪問客が持参した習わしが起源だといわれています。新しい年に訪れる歳神様をお迎えするために、年末には門松やしめ飾り、鏡餅のほか、お供え物のお酒などを用意して新年を待ちますよね。お年賀も、歳神様を迎えるための習わしの一つだったのです。

お年賀を贈るときの基本マナー

お年賀を贈る時期はいつ?

お年賀は、1月1日~3日の三が日に贈ることが正式です。ですが、三が日にはお互いの予定が合わせられない場合もあり、松の内までに贈ればよいとされています。

松の内とは、門松などの松飾を飾っておくまでの期間です。地域によって時期が異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までといわれています。お年賀を贈る方の住んでいる地域をリサーチし、松の内を把握しておくと安心です。

あくまでもお年賀は、新年のあいさつとともに贈るものであり、松の内が明けてから渡すことはありません。もしも、松の内を過ぎてしまった場合は、寒中見舞いとして立春までに贈りましょう。

また、喪中の場合には、年賀状を含め新年のあいさつを控えますよね。お年賀も同様に控え、事前に先方へ事情を連絡することがマナーです。松の内を過ぎてから、寒中見舞いとして贈り物をする場合もあります。

冬時期に日ごろの感謝を伝える贈り物には、お歳暮を思い浮かべる方もいるでしょう。お歳暮とお年賀の違いは贈る時期です。お歳暮は1年の感謝を伝えるために、12月に入ってから25日ごろまでに届けるようにすることが通例です。

お年賀を贈る相手は?

お年賀を贈る相手は、日ごろお世話になっている方々です。年始回りのときに、目下の者から目上の方へ贈ることが一般的。例えば、実家の両親や義理の両親などのほか、勤め先でお世話になっている上司、結婚のときに仲人をしてくれた方などです。

手渡しすることが基本のお年賀ですが、帰省できなかったり、贈りたい方が引っ越しをしたりなど、直接渡せない場合があるかもしれません。そこで、配送を検討する方もいるのではないでしょうか。お年賀を配送する場合には、注意したいポイントがあります。

お中元やお歳暮は、手渡しのほかに配送を用いることもあり、購入店から先方へ送られることもあるでしょう。しかし、手渡しが好ましいお年賀を配送するときは、一度持ち帰り、自宅から発送することがマナーだといわれています。購入店からの直送は、「もともと訪問する予定はありませんでした」という意味になるからです。

繰り返しになりますが、お年賀は手渡しが基本です。そのため、配送はできるだけ避けたいものです。

お年賀の相場はいくら?

お年賀の相場は、1,000~3,000円程度が一般的。高すぎる品は、先方に気を使わせてしまうため、5,000円程度を上限にして選ぶことが多いようです。お付き合いの程度を考慮した相場の品物を選びます。

贈る品物は、食料品や日用品、洗剤や石けんなどの消耗品などさまざまです。先方の事情や好みを配慮した品物を選ぶと、喜んでもらえるでしょう。両親や親族向けのお年賀には、お菓子やお酒などの食料品を選ぶ人が多く、取引先へは、お菓子、コーヒーや紅茶などのほか、タオルも人気があります。

年始は、いただき物が増える時期です。お年賀で食料品を贈る場合は、日持ちする品を選ぶと良いでしょう。

お年賀の熨斗はどうする?

お年賀には、熨斗(のし)と水引を付けることがマナーです。現在では、熨斗と水引を印刷した熨斗紙を品物にかけることも多く、熨斗紙の上段には表書き、下段には贈り主の姓または氏名を書きます。
お年賀の表書きには、「御年賀」「御年始」が一般的ですが、そのほかに「賀正」「新年御挨拶」と書くこともあります。必ず濃墨の毛筆や筆ペン、黒のペンを使うのがマナーです。

また、水引の色や本数、結び方にはしきたりがあり、誤ったものを選ぶと失礼にあたるので注意したいものです。

お年賀は、水引が紅白5本または7本の「蝶結び」を選びましょう。繰り返さないお祝いごとに使う「結びきり」は婚礼や快気祝いに使われるため、何度あっても嬉しいお祝いごとであるお年賀には、結び直せる「蝶結び」を選びます。

お年賀のお返しは必要?

お年賀を受け取った場合、お返しをしたほうがよいのか迷ってしまうかもしれません。お年賀は日ごろの感謝の気持ちを込めた贈り物ですから、基本的にお返しは不要です。

もともと、新年に訪問客を招いた側は、自宅でおせち料理やお屠蘇(とそ)などをふるまったといわれています。新年のあいさつをしながら、訪問客におもてなしをすることで、お年賀を受け取ったお礼の気持ちを表すことにもなるでしょう。また、子ども連れの訪問客の場合には、お年玉がお返しの代わりになります。
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