ライター : muccinpurin

製菓衛生師 / 料理家

肉不足への打開策!?「2050年カレー」が誕生

Photo by muccinpurin

2020年1月31日(金)、約30年後に迫る肉不足に対応すべく、ヤマモリ株式会社から「2050年カレー」が発売されました。ひとことで “肉不足” といっても、いまの飽食の時代を生きるわたしたちには、いまいちピンときませんよね。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsの広がりもあり、持続可能な食材として注目を集める代替肉を使ったとても画期的な商品です。

「来たるべき近未来、世界的な食料危機が訪れる…君の備えはできているか?」。壮大なSF映画のポスターのようなパッケージには、衝撃的な文字が躍ります。おおよそ、レトルトカレーのパッケージとは思えませんが……。
※SDGsとは……「Sustainable Development Goals」の略で、2015年に国連サミットで採択された国連目標のこと。日本語に訳すと「持続可能な開発目標」の意味を持ち、17の大きな目標と、その目標を達成するための169個のターゲットから構成されています。読み方は「エス・ディー・ジーズ」。

世界が注目する植物性の代替肉を使用

世界人口の爆発的な増加や、現在の開発途上国の生活水準が向上することにより、約30年後の2050年には、肉をはじめとする動物性たんぱく源が不足すると予測されています。まだまだ先と思っていても、30年なんてあっという間です。

代替たんぱく質としてさまざまな研究がおこなわれ、そのなかには昆虫食も含まれていますが、虫を食べるとなるとどうしても抵抗感がありますよね。

そこで注目されたのが大豆です。

「2050年カレー」の開発の背景は…?

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これまで、大豆をはじめとする植物性の食材から作られた代替肉は、ベジタリアンやヴィーガンなど、肉を食べない(食べられない)人々を中心に消費されてきました。ここ数年は、アメリカ・ヨーロッパを中心に脂肪分が少なくヘルシーな食材としても注目を集めています。

豚や牛などの食肉を育てるには、実は膨大な量の穀物や水が必要。もちろん、肥育にかかる人手や時間もばかになりません。

その点、大豆は比較的栽培しやすく、一度に大量生産することが可能。さらに、豆腐やみその原料になるなど、日本人にとってとてもなじみ深い食品です。ここまで聞くと、大豆由来の代替肉が2050年カレーに使われた理由にも納得がいきますね!
▼2050年カレーの動画をチェック!

シビれる辛さの「2050年カレー ガーリックチリ」

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「2050年カレー ガーリックチリ」160g/360円(税別)
まず試食したのは、たっぷりのにんにくと唐辛子を使った「2050年カレー ガーリックチリ」。温めたルーの封を切ったとたん、強烈なにんにくの香りが先制パンチを食らわせてきます。この香りは、隠し味程度のにんにくじゃありません。きっとかなりの量が使われています。

にんにくの香りがグイグイと食欲を刺激してきて、は、早く食べたい……!

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肝心の代替肉は、ゴロゴロ……ではなくひき肉のような粒々とした見た目。代替肉といわれなければ、ルーが多めのキーマカレーと変わらないビジュアルです。

口に運んだ瞬間はほんの一瞬だけマイルドですが、次の瞬間にシビレる辛さが襲ってきます。か、辛い!代替肉ばかりに気を取られて、激辛カレーということを忘れていました。舌先がヒリヒリする辛さに悶絶しながらも、またひと口。

ご飯や福神漬けが甘く感じるほどの辛さですが、にんにくの香りやビーフの旨みがしっかり感じられ、次のひと口が欲しくなります。

代替肉の味は…?

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代替肉は大豆から作られたことをまったく感じさせず、実においしいひき肉といった感じです。ひき肉と比べてやや噛み応えはありますが、そのおかげで満足感が得られるので問題ありません。

代替肉、想像していたよりもずっとイケる!

カレーと麻婆のいいとこ取り!「2050年カレー 麻辣」

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「2050年カレー 麻辣」160g/360円(税別)
「2050年カレー 麻辣」は、唐辛子と花椒(ホワジャオ)を前面に押し出した中華寄りのキーマカレー。ホカホカのルーからカレーのスパイシーな香りと、目にしょぼしょぼするような花椒の刺激的な香りが一気に漂ってきて、やや混乱しますが、同時にお腹がぐう~っ。

色は3種のなかでもっとも明るく、花椒と唐辛子を連想させます。
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