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チップで1万円
$66(日本円で約6,600円)の支払いに対して$100(日本円で約10,000円)のチップを支払った夫婦が全米で話題です。なんとチップが支払いの約2倍。日本人だと
チップってそんなに払うことあんの?!
と思ってしまうかもしれませんが、これはこの夫婦が望んで支払ったもの。通常チップは支払いの10〜20%程度で十分。支払いの倍払う人なんて滅多にいません。この夫婦はよっぽどそのウェイターのサービスに満足したのでしょう…と思ったらまさかのその逆。
夫婦がこんなにも高額のチップを払ったのは
ウェイターのサービスが酷過ぎたから
なんだそうです。
一体どういうこと?ドMの夫婦なの?
Pay it forward♫
事の顛末を簡単に説明します。
ある夜シュルツ夫妻が訪れたレストランは込み合っており、多くのお客さんがいたそうです。12個のテーブルが埋め尽くされているのに対し、ウェイターは何故か一人。
注文した水が運ばれてくるのに20分。前菜が運ばれてくるのに40分以上。アントレが運ばれてくるのに一時間以上がかかったとか。
そんな状況に全てのお客さんが苦笑い。むしろあまりに酷いその状況を笑い飛ばしている雰囲気さえあったそうです。唯一の救いはこのウェイターの男性が常に真摯な態度でいたこと。遅い、ということ意外には何の落ち度も無い。しかし、ここで奥さんは思いました。
「このままではこの男性は今夜1ドルもチップをもらえないのではないだろうか」
アメリカはウェイターに厳しい
欧米でお客さんがウェイターにチップを払う理由は、ウェイターの賃金が極端に低いためです。
アメリカの場合、州によって異なりますが、ウェイターはおよそ時給300円くらいで働いているんだとか。ウェイターたちは、それぞれがサービスの質を向上させ、そのサービスに満足したお客さんにチップを弾んでもらうことによって日々生活しているのです。
日本人には馴染みの薄いチップですが、海外に行ったら余裕のある方は是非ウェイターにチップを弾んであげて下さい。
話は逸れましたが、要するに、チップはサービスの質に対して支払うものなのです。ということは、これほど料理の提供に時間がかかってしまっているウェイターがお客さんにチップをもらえるわけがありません。もらえても極小額でしょう。
そこで奥さんは旦那さんと相談し、このウェイターの男性にとって、今夜が最低の夜にならないように、自分たちが一肌脱ごうということになったんだそうです。
その結果が100ドルものチップだったわけですね。
そして夫婦は支払いの際、レシートに言葉を添えています。
「We've both been in your shoes.paying it forward」
(あなたの状況お察しするわ。ペイイットフォーワード。)
「Pay it forward」とは、英語で『情けは人のためならず』を意味する造語です。
欧米では「返す、返還する」を意味する「pay back」の逆、という意味で使われており、「返さなくていいから、あなたも今度誰かにしてあげて」という意味が近いです。なんとも粋な行動です。ウェイターの男性がどれだけ救われたことでしょう。
奥さんがこのレシートを自身のFacebookに投稿したところたくさんのイイネ!が集まり、今全米で話題になっているのです。
今度自分が似たような状況に遭遇したとき、イライラするのではなく、店員さんの状況を慮ってあげられるくらいの度量が持てるようになりたいものですね。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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