ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

“液体の宝石”リキュールってそもそもどんなもの?

「液体の宝石」や「飲む香水」とも称されるリキュールは、スピリッツ(蒸溜酒)に香草やフルーツなどの香味を移し、砂糖やシロップ、着色料などを加えた混成酒のこと。

混成酒にはワインやビールなどの醸造酒がベースになったものもありますが、ジン・ウォッカ・テキーラ・ウィスキー・泡盛などのスピリッツをベースとした混成酒がリキュールです。原材料、製造方法には特に規定はありません。

語源は、ラテン語の「Liquefacere(リケファケレ=溶かす)」や「Liquor(リクオル=液体)」が古フランス語の「licur(リキュール)」となり、現在のスペル「Liqueur」に変わったものとされています。

リキュールは大きく分けて4種類ある

リキュールは、スピリッツをベースに何を加えて作るかにより変化し、その素材によって4種類に大別することが可能です。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1. 香草・薬草系

ハーブや薬草、スパイスなどを主原料とするもの。リキュールの起源とされる種類でもあります。少しクセが強いので、単体で使われるだけでなく、ほかのリキュールと合わせてアクセントや隠し味としても使われます。香りや独特の苦味が特徴です。

2. 果実系

フルーツの果肉や果汁、果皮が主原料とされるもの。現代での製造量や種類がもっとも多いリキュールです。お酒やカクテルとしてだけでなく、お菓子作りや料理にも使われます。

香りがよく甘いものが多いので、とても飲みやすく、ストレートやソーダ割りなどシンプルなカクテル作りに使われ、さまざまな飲み方が楽しめるリキュールです。

3. ナッツ・種子系

コーヒーやカカオ、くるみやヘーゼルナッツなどが原料として使用されるもの。ずっしりとした深みのある味わいと、はっきりとした甘味が特徴のリキュールが多く、食後酒として好まれるリキュールです。お菓子作りにも使われることがあります。

4. そのほか

上の3種類とは別に、技術の発達によって製造されるようになった新しいタイプのリキュールもあります。ヨーグルトやクリーム、卵などたんぱく質や脂肪分を多く含んだものが原料として使用される製品も販売されていますよ。

梅酒は、この混成酒類の一種として分類され、原料に麦芽を使わない「第3のビール」と称されるものも、このタイプのリキュールとして分類されています。
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