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幻のお茶「碁石茶(ごいしちゃ)」って?
高知県長岡郡、大豊町で生産されているお茶、碁石茶。一般的な茶葉と違い四角形をしており、一見しただけでは茶葉とは思えない形状をしています。
山に自生している山茶のほか、ヤブキタ茶を使用して作られる碁石茶は、日本茶の中でもめずらしい発酵茶。お茶は不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、後発酵茶に分類されますが、碁石茶はプーアール茶と同じ、後発発酵茶に分類されます。
碁石茶は古くから大豊町で作られてきましたが、たいへん手間のかかる独特な製茶技術で作られるため、一時は栽培農家が減少。しかし、農家の方々の努力と健康ブームで注目されたことにより、少しずつ生産量も増加しています。
健康に有効といわれる成分のみならず、碁石茶の独特な製茶技術はお茶のルーツを調べる上でも重要視されており、多くの研究者が注目しているそうですよ♪
碁石茶の名前の由来
碁石茶の名前は、製茶方法に由来しています。重しをのせて漬け込み発酵させた茶葉は、発酵が終わった時点で3cmほどの正方形にカット。カットされた茶葉は筵の上で天日干しされるのですが、並べた状態が碁盤に並べられた碁石に見えるため、その名がつきました。
古くから伝わる製法では、乾燥させた後に角を落とすため、さらに碁石へ近くなるようです♪
碁石茶ってどんな味?
独特な味も碁石茶の特徴のひとつです。味わいがもっとも似ているのは、同じ後発酵茶のプーアル茶や阿波晩茶といわれますが、それらより酸味と苦味があります。赤ワインの味に似ているといわれることもありますが、さっぱりしているので酸味を感じない人も。
少々クセを感じても、飲み続けているうちに慣れてしまうという人が多いようです。
碁石茶の製造方法
碁石茶は、古来よりおこなわれている製茶方法とほぼ同じ作業で丁寧に作られています。
まずは6月末~7月初めに茶摘みを始めます。摘んだ新鮮な茶葉は、大釜で沸かした湯で1時間半ほど蒸して行きます。蒸し終えた茶葉は筵の上に冷めた茶葉を60cmほどの高さに積み上げ、1週間おきカビ付けをおこないます。これが一次発酵です。
そこからさらに茶葉を蒸した際に出た茶汁を杉桶に入れ、20日ほど漬けます。二次発酵・乳酸発酵とも呼ばれます。終えた茶葉は取り出し、正方形に切っていきます。大きな茶葉を少しずつ小さくしていき、3cm四方ほどになったら再び漬け桶に戻し、晴天を待って3〜5日乾燥させるそうです。最後に俵詰め。茶葉が乾燥したら茶袋に詰めていきます。
大まかな製茶方法は7工程となりますが、それぞれの工程ではさまざまな道具を使い、さらに細かな作業が行われています。とても丁寧に作られているんですね♪
碁石茶が作られ始めたのはいつ?
碁石茶が大豊町でいつ、どのような経緯で作られるようになったのかはっきりしたことはわかっていませんが、ルーツは中国雲南省の酸茶といわれています。
大豊町でも大変古くから作られており、江戸時代にはすでに、土佐藩の献上品として用いられていました。土佐国史料集の「南路志」にも「本川郷碁石茶上品也」という記述がみられます。
明治時代も盛んに作られ、瀬戸内沿岸部などに出荷されていた碁石茶は、大正・昭和時代にかけて緑茶生産や紅茶生産の奨励、他産業への転業などで、生産者が減少。現在も碁石茶の製茶業者はごくわずかです。
碁石茶は乳酸菌たっぷりの発酵茶!
発酵茶である碁石茶には、植物性乳酸菌がたっぷり含まれているのが特徴。ほかにもカテキンやテアニン、カフェイン、GABAなども含まれており、栄養成分が豊富です。乳酸菌が手軽に取れるので、健康を気にしている方には嬉しいですよね♪
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