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陰虚の体質を整える食材
のぼせやほてりを感じる、顔が赤いなどの症状を感じたことがありますか?これらは一般的に「ホットフラッシュ」と呼ばれ、更年期(閉経前後の10年間)の人に出やすい症状です。しかしながら、まだ更年期から遠い若年世代でも、ホットフラッシュのような症状を感じる人がいらっしゃいます。
薬膳では、こうした症状が出る場合、老若男女を問わず、陰虚(いんきょ)体質と分類します。陰虚とは、「体液」が不足している状態のこと。人の身体の6〜7割が水分で出来ているほど、私たちにとって体液は必要不可欠で、身体が熱くなりすぎないように調節する働きがあります。身体の中で熱くなっている部分を消火活動してくれるイメージ、といえばよいでしょうか。
この体液が不足すると、体内で発する熱が抑えきれなくなり、熱症状が出ます。下記のような症状がある人は、陰虚体質といえるかもしれません。
・夜寝る時、熱くて布団から手足を出して寝る
・低温期の体温が36.5度を超えることがある(女性のみ)
・午後に微熱やだるさを感じやすい
・よく喉や口が渇く
・顔がやつれやすい
以上のような症状を普段から感じている人は、身体に潤いを与える食材を摂るようにしてみてください。ただし、体液を増やしたいからといって、単純に水分を摂ることは不十分です。水分はサラサラと体内へ入ってきて、サラサラと出ていってしまいます。体内に潤いをキープするためには、オクラのようにネバネバしていたり、魚介類のようにヌルッとしているような食材がいいんですよ。
妊活中に男女で摂りたい牡蠣
二枚貝は種類を問わず、身体に潤いを与える働きが強い食材です。なかでも特にお勧めしたのが、牡蠣。牡蠣は陰虚体質の女性にもお勧めですが、男性であればどんな体質の人であっても強くお勧めします。
妊活は女性だけでなく、男性の身体も同時に整える必要があります。卵子を育てたり、赤ちゃんを育むのは女性の身体ですが、肝心の精子に元気がなければ、卵子に出会うことすらできないからです。
男性の場合、その月の体調の良し悪しが、その月の精子の状態と直結する、という特徴があります。食事、睡眠、運動などの生活習慣が、身体の状態を左右するんです。残業が多い、睡眠時間が足りない、体力の限界を超えて働いている、運動不足、缶コーヒーやジュース、お菓子、スナック菓子、アイスなどを食べる……こうした生活が習慣化していれば、当然、精子の元気もなくなってしまいます。
とはいえ、今すぐ生活習慣を根本的に変えることは簡単ではありません。ですから、その代わりとして、牡蠣を積極的に食べてもらいたいと思います。
牡蠣は精力を高める
牡蠣は海のミネラルと呼ばれるほど栄養価が高く、亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含みます。中でも妊活において注目したいのが、亜鉛です。亜鉛は別名「セックスミネラル」とも呼ばれ、生殖能力を維持したり、精子の活動を高めたり、着床後の細胞分裂を促す働きがあるとされています。男女の妊活を支えてくれる貴重な食材です。
薬膳から見た牡蠣の効能
薬膳においては、体液を増やす働きが強く、のぼせやほてり、イライラを抑えてくれます。また、体液の一部である血(けつ)も増やしてくれるので、不眠症の改善、気持ちの安定、滋養強壮の効果も期待できます。
私のお客様からも、牡蠣を食べる頻度を増やしたところ、タイミングをとれる回数が増えた、精子検査の数値が標準値に入るようになった、といったご報告をいただきます。
食べ方はお好みで大丈夫です。生牡蠣、カキフライ、牡蠣の炒め物、炊き込みご飯など、生食でも加熱しても効能は消えません。お酒を飲む人や、牡蠣が手に入りづらい時期は、缶詰を活用してみてもいいですね。
妊娠中に食べてもいいの?
妊娠中の女性は赤ちゃんを育てるため、亜鉛や鉄、カルシウムが不足しがちです。妊娠中の貧血対策として、牡蠣を召し上がるのも良いでしょう。ただし、もし牡蠣を食べる際は、食中毒の可能性を考えて、念のため加熱したものを召し上がるようにしてください。
男女の妊活を促す食材を摂ろう
妊活というと、女性がおこなうものという印象も強いですが、ここまでお伝えしたように、男性も積極的に参加してみてください。妊娠に至る可能性がより高まります。
その点、夫婦で一緒に妊活ができるのも、薬膳の大きな魅力のひとつです。特に今回ご紹介した牡蠣は、陰虚体質の女性にはもちろんのこと、男性にも嬉しい薬効がある食材。スーパーマーケットや外食先で、牡蠣を見かけたらぜひ召し上がるようにしてみてくださいね。継続すれば少しずつ体質が変わり、女性にとっては着床後の安定に、男性にとっては精子の活動を活発にするのに役立ちますよ。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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