連載

「身体の元気」が妊活のカギ。山芋で内なる活力を取り戻す

子宝薬膳家がお勧めする、自分で、自宅でできる妊活薬膳。連載第2回の今回は、「あなたに合う妊活とは、あなたを元気にする活動」であることをお伝えします。自炊でも外食でも、女性でも男性でも取り入れられる疲労回復食材をご紹介しましょう。

2020年3月9日 更新

ライター : 多々良 綾花

子宝薬膳家

薬膳で冷え、生理痛、ニキビ肌を解消できたことをきっかけに、中国の医大である遼寧中医薬大学付属日本中医薬学院に入学し薬膳を学ぶ。現在は妊活に特化した子宝薬膳を広め、家族の健康…もっとみる

身体に備わる妊娠力を発揮させる

あなたはいくつ、妊活の方法をご存じですか?温活、食材、ドリンク、サプリメント、ストレッチなどなど、情報社会の今、妊活について調べれば、いくらでもその方法を見つけることができます。積極的な人はすぐ行動に移し、出来そうなものからがんばって取り入れて、でも結局、いまいち変化が分からなかった、そんな経験もされているのではないでしょうか。 妊活を初めて経験する人にとってみると、どの情報が正しいかどうか、取捨選択にとまどうことも少なくないはず。妊活未経験の私たちが自力で「妊娠に必要なことは何か」を探しても、しっくりくる妊活方法にたどり着くのは、なかなか長い道のりです。 しかしながら、じつは目の前にある情報が自分に合っているかどうかを、簡単に見極める方法があります。それは、「妊娠によいものかどうか」ではなく、「自分の身体が元気になるかどうか」を基準の前提にすることです。 妊娠することと、元気であることには、とても密接な繋がりがあります。といっても、健康診断でなにも異常がないことは、元気であることの指標になりません。 もともと女性には妊娠力が備わっています。いまだ妊娠していないとしても、本当は潜在的な能力を発揮できていないだけなのです。ですから、すでに持っている力を発揮できるよう身体を元気に整えてあげることが、じつは妊娠への近道になります。

心と身体に余力を与えてあげる

妊娠の過程は多岐にわたり、そして複雑です。 卵巣で卵子を作り育てる、排卵をし卵子を卵巣から卵管へ移動させる、精子と結びつき受精卵になる、受精卵を子宮まで移動させる、受精卵を子宮内膜に潜り込ませ着床させる、精子をつくる、排卵日付近で膣内へ射精する、精子が膣の酸性に負けない、膣と子宮の間にある細まった子宮頸部を精子が通り抜けられる、精子が子宮内にいる白血球に負けない、卵子が卵管に移動してくるタイミングで精子が卵管に到着している、精子が卵子の硬い殻を破れる…… 妊娠までに、これほど複雑な条件を必要とします。この中のたった1つでもできていなければ、妊娠に至ることはありません。さらに、これら全てが完璧におこなえていたとしても、妊娠する確率は20%程度といわれています。妊娠とは、それほど奇跡的なことなのです。

情報を鵜呑みにしないこと

そもそも、人間を含む動物にとって最優先事項は、自分の命を守ることです。命がけで行う子孫を残すという行為は、余力があるからこそ初めてできることなのです。ストレスフルで心にも身体にも余裕がなかったり、1年で何度も風邪を引いてしまうほど免疫力が落ちていたり、朝起きられないほど疲れが溜まっていたり……そんな状態の身体に、果たして余力は残されているのでしょうか。 「赤ちゃんを授かるためならなんでもします」とおっしゃる方もいますが、赤ちゃんのためを思うなら、まずは母体となるあなたの身体と、父となる旦那様の身体を元気にすることが先決です。 例えば、「妊娠には運動が不可欠」という情報があったとします。確かに運動不足の人もいらっしゃるでしょう。久しぶりに運動をしてみるとスッキリするかもしれません。その一方で、運動をしてぐったり疲れてしまう人もいます。軽い運動をしてみて、爽快感よりも疲労感を強く伴う人は、まず何より休息をとることが先です。 運動という妊活が自分に合っているかどうかを測るには、それを取り入れてみて「自分が元気になったか」どうか。自分の体調を無視して知識を優先してしまうと、体調をより悪化させる(元気を失う)ことになります。運動が妊活によい、という知識を無条件に受け入れるのではなく、自分の身体に合うか合わないか、その判断力を養うことが大切。そして、その判断をくだせるのは、自分の身体だけなのです。ぜひご自身の身体の声に耳を傾けてあげてくださいね。

エネルギーを高める山芋

薬膳で言えば、元気を取り戻すのにお勧めの食材は山芋(大和芋、長芋、自然薯を含む)です。その薬効の高さから、中国では補気薬といってエネルギーアップさせる漢方にも用いられるほど。日本でも古来から山のうなぎと呼ばれ、その滋養強壮は広く知られています。 毎日食べ続けることで、疲れにくくなったと実感される方も少なくありません。身体を潤す働きもありますので、お肌がふっくらしてきたと感じられる方も。妊活も出来て、美容も期待できるのは女性にとって嬉しいですよね。 山芋のネバネバっとした食感のぬめり成分が胃の粘膜を保護してくれますので、前回ご紹介したキャベツと並んで、胃腸が弱めの方にも積極的に召し上がって頂きたい食材です。 山芋は薬効は高いですが、おだやかな性質ですので、あらゆる体質の方にお勧めです。とくに、下記のような症状が出やすい気虚(ききょ)と呼ばれる体質の人は積極的に摂りたい食材です。 ■時々胃もたれや胃痛がある ■疲れやすい、疲れがとれにくい ■風邪を引きやすい

父となる人にも勧めてみよう

薬膳で大切なのは量より頻度ですから、少しずつでも毎日食べ続けるのが理想です。山芋の場合、調理法は生食でも、加熱しても大丈夫です。ネバネバ食材特有のかゆさなどが気になる人は、加熱すればかゆみを感じにくくなります。 とろろにしてご飯にかけたり、お味噌汁に入れてホクホクの食感にしたり、酢漬けにしてピクルスとしてつまんだり、溶き卵のなかに混ぜて加熱すればフワフワのオムレツを作ることもできます。1度食べて終わり、では山芋の薬効を期待できません。お好みのレシピを見つけて、食べる頻度を上げる工夫をしてみてくださいね。 疲れがたまっている男性にも、「お蕎麦を食べるときには山かけにするといいよ」とアドバイスすれば、外食でも薬膳を取り入れることもできます。 妊娠力を取り戻すためには、お父さんとお母さんが揃って元気であることが前提です。まずは山芋で元気をチャージして、妊娠力を発揮できる身体に整えていきましょう。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
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