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意外と古いロールケーキの歴史
くるりと巻かれた「の」の字の断面が、なんともいえない愛らしさ。ケーキを巻く(roll)からロールケーキと、シンプルな名前の由来を持つロールケーキ。
最近のスイーツだと思われがちですが、実は日本にロールケーキが登場したのは江戸時代。カステラと同じく、ポルトガルから長崎に伝わったといわれています。
一六タルトも伊達巻もロールケーキが元祖?
長崎に伝わってきたロールケーキは、カステラ生地にジャムを塗って巻いた素朴なお菓子でした。これに目をつけたのが愛媛・松山藩主の松平定行。
当時、長崎探題職を兼務していた彼はロールケーキのおいしさに感激。その製法を松山に持ち帰り、ジャムの代わりに餡を入れた独自のあん入りタルトを考案します。こうして誕生したのが、現在も松山の銘菓として有名な「一六タルト」です。
また、お正月のおせち料理に欠かせない伊達巻も、ロールケーキの発展形と考えられています。
かつては「カステラかまぼこ」と呼ばれていた伊達巻は、明らかにロールケーキの技法に影響を受けた作られたもの。
白身魚のすり身などを卵とあわせ、みりんや砂糖で甘く味付けしたカステラかまぼこは、長崎から江戸にも伝わったのち、そのモダンな佇まいが江戸っ子にも大ヒット。
「伊達(おしゃれ、格好いいの意味)な巻物」という意で「伊達巻」と名づけられました。
昭和30年代に「スイスロール」が大ヒット
お菓子としてのロールケーキが全国区の人気者になったのは、昭和30年代。山崎製パンが「スイスロール」と名付けた商品が、一般家庭のおやつとして大ヒットしたのです。
薄く焼いたスポンジケーキの片面にジャムやバニラクリームなどを塗ったスイスロールは、子どもたちに大人気。今でも愛され続けているロングセラーお菓子です。
さまざまな形に変化しながら、長く愛され続けてきたロールケーキ。どこか懐かしさが漂うレトロな味わい、今度は家庭でも作ってみませんか?
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