料理界の孤高のアーティスト 「みかわ 是山居」店主・早乙女哲哉の料理哲学

門前仲町にある老舗天ぷら屋「みかわ 是山居」の店主・早乙女哲哉氏。昭和37年に天ぷらの道に入って以来、50年以上に渡り天ぷらづくりの極意を探求し続ける。そんな早乙女氏の天ぷら哲学とはいったいどのようなものなのだろうか?

門前仲町「みかわ 是山居」の至高の天ぷら

車海老の天ぷら(胴)

車エビの天ぷら(頭)

一尾の車海老から二つの味を引き出す。胴からは海老の甘みを、頭からは香ばしい薫りを。胴の身はわずか23、4秒、頭はその何倍も揚げて、それぞれの持ち味を引き出します。

出典: msh.weblogs.jp

アスパラガスの天ぷら

例えば、アスパラガスのてんぷら。早乙女さんは、アスパラガスを二つ切りにして揚げる。上半分は香りを引き立て、下半分からは甘みを引き出す。フランス料理のシェフで、このようにアスパラガスから二つの美味しさを生み出す料理人は皆無である。

出典: www.diners.co.jp

天ぷら職人・早乙女哲哉とは?

好きなアーティストに店をつくってもらい、 自分もアーティストとして料理をつくろう――。 そう決意したのは十七歳の時でした。

東京の下町・門前仲町に、当代屈指とうたわれる天ぷら職人がいる。エビは芯だけをレアに仕上げて “甘み” を極限まで引き出し、アナゴは揚げたてを割ると香ばしい湯気が一気に立ちのぼるほど、ギリギリまで素材に眠る風味を引き出す名人芸を持つ。

店主・早乙女哲哉(そうとめ・てつや・66歳)は、風変わりな男だ。開店前は厨房を抜け出し、草むしりや生け花にいそしむ。聞けば、「天ぷらを揚げるのが一番嫌いで一番好き。だって全力で揚げなきゃいけないから」と飄々(ひょうひょう)と笑う。

出典: dogatch.jp

ひとたび揚げ場に立てば表情が一変。カウンターの客を前にしてもほとんど言葉を発することはなく、笑顔も愛想もみせない。そして、エビ、キス、ウニ、メゴチ、アナゴなど、黙々と最高級の素材を独特の衣にくぐらせては揚げていく。なかでも、秒単位のタイミングが要求される“貝柱のかき揚げ” を鍋に入れる直前には、その表情はさらに厳しさを増す。「俺は130才まで揚げ場に立ち続ける。天ぷらを究めるためには、まだまだ時間が足りない」と笑う早乙女。生涯を天ぷらにかけると決め、日々、天ぷらを揚げ続けている。

出典: news.ameba.jp

“すしの神様”「すきやばし次郎」小野二郎氏との絆

ミシュラン3つ星「すきやばし次郎」の小野次郎とは、30年の付き合い。小野次郎、86歳にして未だ試行錯誤し、自分のもっているものを全てだしきるという姿勢にほれ込んでいる。単調な、シンプルな、完成された料理、天ぷらに、日々向き合う。限られた作業の一つづつを、早乙女は突き詰める。

出典: kobemorien.at.webry.info

早乙女流「天ぷらを揚げる」極意

「天ぷらをつくる」ということ

「ほかのどんな調理よりも、素材の旨味を生かせないのなら、天ぷらを選択する意味はない。」というのが、主のてんぷら哲学。

「天ぷらは一元的な調理方法ではない。
油の特徴さえ知っていれば、なんでもできる調理方法。」

天ぷらは、衣と油と水、そして素材からなる、シンプルな料理。だからこそ、その一つ一つに、深くこだわります。油は夏と冬で、胡麻油とサラダ油のブレンド比率を変えます。夏は、サラダ油6に胡麻油4でさっぱりと、冬はコクを出すため、5対5。
これで、一年を通して同じ味を楽しめるのです。

出典: www.tv-asahi.co.jp

例えば、キス。鍋に入れてから2分、全体に熱が通り、揚げたくなる頃合いだ。しかし、早乙女は揚げない。何度も何度もキスをひっくり返し、ギリギリまで水分を抜いていく。キスは水っぽい魚だけに、長く揚げることで余分な水分を抜ききり、素材本来の繊細な風味を浮かび上がらせるのだ。

一方、エビは、一転して短期決戦を仕掛ける。狙いは、エビの甘み。通常180度で揚げるところを220度まで火力を上げて、23秒前後で一気に揚げる。そうすることで中心だけはレアに保ち、また、温度を人間が最も甘みを感じやすいとされる45度に仕上げる。

出典: www.nhk.or.jp

料理は科学

特集一覧

SPECIAL CONTENTS