幻の酒米を使用。一宮酒造の「石見銀山」

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島根県に数ある酒蔵のなかでも珍しく、女性が杜氏を務める「一宮酒造」は、125年ほどの歴史を持つ酒蔵。「島根県のおいしい食材と合わせられるように」との思いで造られた日本酒がそろいます。

一宮酒造では、島根が誇る世界遺産の名を冠した『石見銀山』という日本酒が看板商品のひとつ。

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「石見銀山」には栽培がむずかしく使われなくなったことから、“幻の酒米” ともいわれる『改良八反流』を使用。米を削りすぎずに旨みの部分をほどよく残しており、米の味わいを感じられるのが特徴とのこと。

「石見銀山」以外に注目したいのが「雪香」。独自の瓶内発酵技術を用いた低アルコール日本酒で、2013年に国際味覚審査機構「優秀味覚賞」を受賞されました。まろやかかつすっきりとした飲み口で、日本酒が苦手な人でも飲みやすい1本ですよ。

数々の賞を受賞した和牛「しまね和牛」

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「千畳苑」の『島根和牛』
西部エリアに限られた島根名物ではありませんが、「しまね和牛」も必食。島根県で肥育された去勢・未経産の黒毛和種の総称で、全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を受賞するほどのブランド和牛です。

その特徴は、さらりと溶けるような脂と旨みの強さ。味わいのバランスがよく、あらゆる調理法でおいしさを発揮します。

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「アウルリゾート」の『島根和牛のにぎり イクラのせ』
しまね和牛は県内各地の飲食店で食べられますが、旅館やホテルのメニューとして提供されることもしばしば。宿泊の際は注目してみてはいかがでしょうか。また、お取り寄せの品としても人気です。

迫力の伝統芸能「石見神楽」も見逃せない

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食からは脱線してしまいますが、番外編としてご紹介。島根県西部を訪れたら「石見神楽」は見逃せません。石見神楽は石見地方にて、古来から地域に根づき愛される伝統芸能です。2019年には日本遺産にも登録され、日本内外問わず高い評価を受けていますよ。

ヤマタノオロチ伝説を題材にした「大蛇」をはじめとし、古事記や日本書紀を題材にした演目は30種類ほどあり、芸者のみならず地域に住む人たちはすべての演目と内容を覚えているのが普通だそう。

細やかな刺繍が施された衣装、迫力のあるお面、軽快でにぎやかなお囃子、ダイナミックな動き……。石見神楽は見る者の心を震わせます。

手縫いで作られる豪華絢爛な衣装

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芸術的な石見神楽を引き立てる衣装は、地域の人々の手によって大切に製作されています。金糸や銀糸を用いた繊細できらびやかな仕上がりですが、工房を覗かせてもらうと、驚くことに手縫い! 少人数で長い時間をかけて1着の衣装を仕上げるのだそうです。

紙で作られた軽くて丈夫な石見神楽面

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張り子技術を活用した神楽面も、石見神楽の大きな注目ポイント。石州和紙を原材料に熟練の職人が丁寧に作り上げたお面は、激しい動きでも付けていられる軽さと丈夫さが特徴です。

旅好きなら訪れたい魅力あるエリア

穴子やのどぐろなどを中心とした名産物から、国内外で評価される石見神楽まで。島根県西部には、意外と知られていない魅力が詰まっています。

ほかにも、世界遺産に登録された「石見銀山」、国の天然記念物に指定されている「石見畳ヶ浦」、伝統工芸の「長浜人形」など、本記事で紹介しきれなかった観光資源が盛りだくさん。ぜひ、実際に訪れて島根県の魅力を体感してみては。
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