ライター : FOODIE

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この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
小倉トーストやあんこ餅、おはぎなど、あんこを使ったお菓子って心惹かれるものが多いですよね。「甘いものが食べたいけれど、しつこいものはちょっと……」という欲張りな願望も満たしてくれる、日本ならではの魅力的な食べ物のひとつです。
そんなあんこのおいしさを最大限楽しみたいなら、自家製あんこがおすすめです。難しくて、手間のかかるイメージがありますが、ポイントさえ押さえれば調理方法はただ煮るだけと、とてもシンプル。しかもほかの豆と違って小豆は煮る前にひと晩、水に浸ける必要がないので、時間がかからず、とっても作りやすいんです!
今回は初めてでも失敗しにくい粒あんの作り方を、プロが詳しく伝授します。教えてくれるのは、旬の素材を使った手仕事を得意とする料理研究家の小島喜和さん。素朴ながら豆の風味がしっかり感じられるあんこのレシピは必見です!

あんこが渋い? 豆がかたい?? 手作りあんこを失敗しないためのポイントは?

あんこをいざ手作りしてみると、なぜかあんこの味が渋かったり、豆がかたくなってしまったりしてがっかりした経験のある人も多いのでは?

自分の思い通りの甘さにするのも難しいですよね。そんなときは以下のポイントを押さえれば、解決できます!

1. あんこが渋いのは、下ゆで前のゆでこぼしで解決!

小豆は最初に、水からゆでてゆで汁をこぼす作業を行います。この工程は「渋きり」と言い、小豆の渋味や雑味を取り除くとても大事な作業。水の量が少なかったり、時間が短かったりするとあんこの仕上がりに大きく左右するので、疎かにしないこと!

2. こまめに鍋の状態を確認すれば、失敗知らず!

あんこの調理工程はただ煮るだけですが、アクが絶えず出てくるのでこまめに取り除くことが大切。また、水分が蒸発しやすいので、水加減も常にひたひたになるよう注意を払う必要があります。ながら作業でいいので、放ったらかしにせず、定期的に鍋の状態を見るようにすれば、雑味や加熱ムラのないおいしいあんこに仕上がるはず!

3. 豆がかたいのは、砂糖を加えるタイミングで調整を!

手作りあんこのできあがりがもし、かたかったら、砂糖を加えるタイミングが早すぎたことが原因です。小豆がやわらかくなる前に砂糖を入れてしまうと、その後いくら加熱してもやわらかくなることはありません。必ず豆の芯がなくなるまで煮るのがポイント。

4. 甘さは砂糖の量と種類で調整を。目安の量だけ知っておこう!

砂糖は甘さ控えめが好みの場合は小豆よりやや少ない量(※小豆300gに対して砂糖270g)に、甘みをしっかりつけたい場合は小豆と同量かそれ以上加えるといいでしょう。小島先生は洗双糖というミネラルが豊富でやわらかい甘さの砂糖を好んで使っていますが、使用する砂糖の種類によって仕上がりの味が変わってくるので、いろいろ試してみるのがおすすめ。
あんこは材料がシンプルな分、ごまかしがきかないため、すべての工程を省略せず、丁寧に行うのがおいしく仕上げる最大のコツです。

ポイントを見ると大変に感じるかもしれませんが、夕飯の準備などほかの作業をしながら、定期的に鍋の中の状態を確認し、少し手を加えればいいだけなので、慣れるとそれほど負担にはなりません。
「小豆をことこと煮る作業は心が落ち着いて、私にとって癒しのひと時です。キッチンに充満する豆を煮る香りもいいですよね。何より自分好みに仕上げたあんこの味わいは格別。このおいしさを堪能したくて、何度も繰り返しあんこを手作りしてしまいます」
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

ゆでこぼすのは1回だけ! 一生もののあんこのレシピ

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